2011 Fiscal Year Annual Research Report
宗教概念ならびに宗教研究の普遍性と地域性の相関・相克に関する総合的研究
Project/Area Number |
22320016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池澤 優 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (90250993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴岡 賀雄 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60180056)
市川 裕 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20223084)
藤原 聖子 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10338593)
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
高橋 原 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30451777)
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Keywords | 宗教学 / 宗教概念 / 宗教教育 / 宗教行政 |
Research Abstract |
23年度の目標は以下の4点であった。 (1)それぞれの地域における宗教研究に関してどのような書籍・論文が公刊されているか、情報を収集し、それを文献リストの形でまとめる。 (2)作成した文献リストのうち、重要なもの、特に宗教研究関係の定期刊行物の論文を収集し、分析の材料とする。 (3)実際に各地域の宗教研究機関を訪問し、研究集会(学会やシンポジウム)に参加することで、それぞれの地域の宗教研究が全体として何を指向しているかを把握する。 (4)直接、海外の研究者を訪問し、彼らが宗教ならびに宗教研究をどのようなものとしてイメージしているか、意見交換することで、情報を得る。 各目標に即して成果をまとめるならば以下の通りである。 (1)については、まず北米の過去10年間分の該当書籍・論文に関する網羅的なリストを作成した。それと同様のものを作成することが困難な地域(南アジア、イスラム圏等)については、代表的な文献のみをピックアップすることに方針を変更した。 (2)については、どの地域についてもおおむね良好に収集を行った。 (3)については、北米、ヨーロッパ(特にイタリア、フランス)、南アジア(特にインド、タイ、インドネシア)、東アジア(特に中国、韓国)について成果を得た。 (4)については、海外の研究者を訪問するだけでなく、来日中の研究者をゲスト講師として招くことにより、意見交換を促進することができた。 研究成果は大小あわせて4回の研究会を行うことにより、メンバー間で共有した。最終年度の成果の見通し、さらにそれをどのような形態で発表するかについても具体的な方策が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は国際比較を目指すものだが、対象が宗教現象ではなく宗教研究であるため、当該地域の高等教育環境により、調査・資料集種が比較的容易な場合(主に欧米諸国)、やや困難な場合に分かれる。その差は当初の予想以上に大きいことが、研究を進めるほどに顕在化した。しかしこの問題は、研究協力者に現地調査の面で協力してもらうことにより、改善に向かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は23年度以上にメンバー間で研究成果を共有し、学会等で外部に対しても成果の中間発表を促進し、最終的には論文集の形で総合する。外国で活動している研究者も引き続きゲスト講師として招く予定である。最近の新たな研究動向を反映する洋雑誌一覧などは、学部・大学院教育の教材としても役立てていく。23年度は各地域の状況を分析することが中心となり、地域間の比較を行うまでにはなかなか至らなかったが、24年度は地域横断的な課題を見出すことを目指す。
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Research Products
(12 results)