2010 Fiscal Year Annual Research Report
近代ギリシャ絵画(19世紀から両大戦間期)研究ーヨーロッパの影響と伝統の再編
Project/Area Number |
22320041
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
木戸 雅子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (10204934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 杜幾子 明治学院大学, 文学部, 教授 (70162972)
大原 まゆみ 明治学院大学, 文学部, 教授 (70185362)
馬渕 明子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30114656)
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Keywords | ギリシャ近代絵画史 / ギリシャ近・現代史 / 両大戦間期文化 / ギリシャ・フランス・ドイツ / 19・20世紀絵画史 / 近現代フランス絵画 / トルコ / ポスト・ビザンティン美術史 |
Research Abstract |
2010年11月に現地調査を行い20世紀初頭のギリシャ人画家でギリシャの伝統こだわった画家としてセオフィロスと、フォティス・コンドグルを中心に調査をした。両者のアテネ国立絵画館所蔵作品と、コントグルによるアテネ市旧庁舎の壁画とその下図をアテネ市絵画館収蔵庫で調査した。両者の出身地レスボス島でセオフィロス美術館、及び20世紀前半にパリでマチス、ミロ等のリトグラフ作品や雑誌「ミノタウロス」等を出版した出版者テリアドの美術館を調査した。彼もレスボス島出身でセオフィロスを評価し世に出したことでも知られる。テリアドの姪で画家のニキ・エレフセリアディにも聞き取り調査をした。ミティリニ(レスボス島)の対岸の町アイバリ〈トルコ)でコントグルとセオフィロスの足跡の調査。セオフィロスの壁画作品が複数残るヴォロス市とピリョ山の山村を調査し、セオフィロスが残した全壁画を調査した。またベナキ美術館くアテネ)で開催された特別展「セオフィロス展」で個人蔵の作品を見ることができ、セオフィロスのドキュメンタリー映画を製作した映画監督へのインタビューで貴重な知見を得ることができた。アテネ市旧庁舎の議会室の壁画を制作したコンスタンディノス・パルセニスについて馬渕明子がパリで資料を収集し、(1)外国で生まれ育った者としての、アイデンティティ、(2)ウィーンとパリでの美術修行における影響とその比較、(3)帰国後の国民的画家、教師としての活動について考察を進めた。大原まゆみはミュンヘン中央美術史研究所等で近代ギリシャとドイツの関係についての文献調査を進め、近代ギリシャの国民国家誕生と、そのための国民神話形成、およびその過程で画像が果たした機能を論じたG.マルガリティスの論文「ギリシャ:古代の精神からの誕生」を翻訳した。鈴木杜幾子は著書『フランス革命の身体表象-200年の遺産』(仮題)の執筆過程において近代ギリシャ問題を比較検討した。
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Research Products
(2 results)