2011 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の日本語運用に対する日本人評価の類型化・モデル化に関する研究
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22320099
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
宇佐美 洋 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究・情報センター, 准教授 (40293245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 智子 学習院大学, 文学部, 教授 (50304457)
田中 真理 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (20217079)
富谷 玲子 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (40386818)
福永 由佳 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究・情報センター, 研究員 (40311146)
森 篤嗣 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (30407209)
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Keywords | 異文化理解 / 異文化コミュニケーション / 日本人評価 / 評価スキーマ / 評価観点 |
Research Abstract |
平成23年度は以下のことを行った。 1)日本語学習者の発話(日本語母語話者とのロールプレイ)を録画したものを日本語母語話者に視聴してもらい,どのような観点・プロセスによってその評価を行うかをインタビュー等の質的手法によって調べた(評価者は,平成22年度に実施した質問紙調査に基づき,偏りがないように抽出された人々である)。 2)また逆に,日本人側発話の録画データを日本語学習者側(中級・上級)に視聴してもらい,学習者側からの評価のあり方について,インタビューによって試行的に分析した。 3)「自分自身がどのような評価フレームワークを有しているか」の自覚を促すためのワークショップを大学等・日本語支援ボランティア団体等で実施し,ワークショップ参加者にどのような変化が生じたかを,ワークショップ記録や事後インタビュー等によって詳細に探った。 1)により,外国人の話しことばに対する日本人評価の多様性を把握することができた。今後は,別途研究を行っている「書きことば評価のあり方の研究」との比較対象を行うことにより,多角的に考察を深めていく予定でみる。また2)により,学習者側が日本語母語話者の話しことばをどうとらえているかの一端が明らかとなり,評価という行為を「社会における相互行為」として考察を進めていくための端緒となった。3)は,評価の多様性に関する研究成果を一般日本人に対するコミュニケーション教育に活用する試みとして位置づけられるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,外国人の発話に対する日本人の評価プロセスを探ることを目標としていたが,23年度はこれに加え,「外国人から見た日本人発話の評価」についての調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
外国人発話に対する日本人側らの評価,日本人発話に対する外国人側からの評価についての分析をさらに進め,別途行っている書きことば評価で得られた知見との比較も含めた考察を展開する。
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Research Products
(7 results)