2010 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得過程における文法の発達と喪失に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
22320109
|
Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
平川 眞規子 文教大学, 文学部, 教授 (60275807)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 能里子 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (20275811)
平川 八尋 東京工業大学, 留学生センター, 准教授 (40218772)
MATTHEWS John 中央大学, 文学部, 教授 (80436906)
細井 洋伸 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40331946)
SNAPE Neal 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (10463720)
|
Keywords | 第二言語習得 / 言語喪失 / 外国籍児童生徒 / 日本語母語話者 / 第二言語の保持 / 英語 / 日本語 |
Research Abstract |
本研究は、第二言語(L2)の習得が及ぼす第一言語(L1)(母語)への影響、L2の保持や獲得不全、L1の喪失に関わる普遍的および個別的な資質や要因を明らかにし、学習者の言語発達を促進する教育・支援体制について社会に提言することを目的としている。研究初年度にあたる平成22年度は、研究対象者の選定のために、研究機関の開拓と接触、学習者に関する情報収集、予備調査・実験を行った。主な成果は以下の通りである。 1. 10ヶ月の米国留学開始前の日本人学生23名を対象に、L2(英語)能力の習得と保持に関する予備実験を行った。音素の識別、冠詞とテンス・アスベクトに関する文法知識、条件文を含む談話能力、映像や絵本を見て内容の説明を行うなど発話力と書く力も調査した。今後は留学を終える際に、第2回目の実験を行い進捗度を測る。その後、半年に一度、L2保持に関する調査を継続する。また、留学しない学生40名を対象に、同様の実験を行った。 2. 上記1の統制群として、カルガリー大学に在籍する学生(英語母語話者)を対象に、文法と音声に関する実験を実施した。 3. 英語圏に長期在住し日本に帰国した児童・生徒9名を対象に、L2(英語)の音声・文法・語彙等の能力に関する調査を個別に行った。今後も対象者数を増やしながら、半年に一度、L2能力の保持と喪失の調査を継続する。 4. 外国籍(主に中国とフィリンビン)の日本語をL2とする学習者が在籍する中学校において、調査の準備を行った。平成23年度より、母語の保持と喪失およびL2に関する調査を開始する。 5. 日英語バイリンガル児童・生徒で、言語の使用や発達に支障がある学習者について、教育関係者との接触や情報交換を行った。今後は、対象者を絞り、実証的な研究を開始する。 6. 上記1~5に関わる言語調査・実験の立案のために、国内外の学会やワークショップに参加し、最新の研究動向に関する情報収集を行った。
|