2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の語彙感覚習得プロセスに関する研究
Project/Area Number |
22320113
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
望月 正道 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (90245275)
磯 達夫 麗澤大学, 外国語学部, 准教授 (40438916)
星野 由子 東京富士大学, 経営学部, 講師 (80548735)
菊田 千春 同志社大学, 文学部, 教授 (40278453)
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Keywords | 語彙習得 / 認知言語学 / 母語の影響 / 英語学習 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの目的は、日本人英語学習者が英語母語話者特有の語彙感覚を習得するためには、どのような習得プロセスを経る必要があるのかを解明することである。プロジェクト初年度にあたる2010年度は、「前置詞(at, in, on)の適切な使い分け」を研究対象に、日本人大学生の前置詞に関する知識を調査・分析した。調査は、上記前置詞が含まれる英文(atおよびinに関しては21文、onに関しては23文)を前置詞の意味に従って分類分けをする課題(カードソーティング課題)を約60名の大学生に対して実施した。また、英語語彙力を測定するため、Nation and Beglar(2007)のVocabulary Size Test(10,000word levelまで)を使用した。カードソーティング課題に関する結果は多次元尺度法を用いて分析した。その結果、下記のことが明らかになった。 日本人英語学習者が前置詞at, in, onに関して有する知識は、認知言語学で指摘されている意味的カテゴリー(e.g., Tyler&Evans, 2003;瀬戸他,2007)にほぼ一致する形態で内在化されていることが示された。具体的には、空間と時間という2つの大きな範疇を軸に、それぞれの関係性の深さに従ってネットワークが形成されていた。現在、英語母語話者のデータを収集中であり、データ収集が完了次第、同様に多次元尺度法を用いて分析する。特に、上記の意味的カテゴリーの完成度の違いに注目し、日本人英語学習者と英語母語話者を比較考察する予定である。この分析から、英語学習者が持つ語彙感覚習得の完成度が明らかになると考えられる。
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Research Products
(4 results)