2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の語彙感覚習得プロセスに関する研究
Project/Area Number |
22320113
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (70281722)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 英語教育 / 認知言語学 / 外国語学習 |
Research Abstract |
平成22年度・23年度研究結果で示された英語語彙感覚の習得難易度を基に、語彙感覚の学習が比較的困難であると判断された項目を前置詞、動詞、冠詞の項目から選び、語彙感覚の学習過程を研究・考察した。さらに、平成24年度研究で得られたデータから、(1)日本人英語学習者が英語語彙を使用する際、多義性が高い項目に限って、英語母語話者の使い方と異なってることが明らかになった。また、(2)英語冠詞使用では、抽象名詞や物質名詞を普通名詞化する際に必要な対象物の個別化の方法が、英語母語話者とは異なる独自の論理に基づいており、その結果正しい使用ができないことが示唆された。 平成24年度後半の研究課題であった「語彙感覚学習支援用のプログラム開発」に関しては、アメリカのカーネギーメロン大学が開発しているCognitive Tutor Authoring Toolsに基づくプログラム作成を計画したが、学習内容や学習プログラム構成が複雑であることから技術的問題が生じ、WEB上での学習を実施するには至っていない。特に、Carey (2009)の「知識の再構築化」に関する学習理論を用いた、既存知識を再構築するための学習プログラムは、学習者の解答や解答理由に対するフィードバックを用いて、学習者自身が自己の誤認・誤解を認識するきっかけやその後の学習に改善をもたらす分岐点を学習プログラムの中に盛り込むことが不可欠であるであるが、この点が技術的困難の根源となっている。また、典型的な誤答やその理由をフィードバック用データベースとして用いる必要があるが、その良質ともに不足していることも、当初計画したように研究が進んでいない理由である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知言語学的知見に基づく学習プログラムに関して、当初、WEB上での実施を計画していた。しかし、学習内容や学習プログラム構成が複雑であることから技術的問題が生じ、現在は、WEB上での学習を実施するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、認知言語学的知見に基づく学習プログラムに関して、WEB上での実施にこだわらず、学習プログラムの構成と内容の充実を図ることに重点を置く方針である。特に、冠詞や前置詞の学習過程を詳細に把握するため、ケーススタディなどを取り入れ、既存の実験ソフト(例、SuperLab)を活用するなど、柔軟に対応することも視野に入れている。
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Research Products
(2 results)