2010 Fiscal Year Annual Research Report
認識方法としての歴史と規範としての歴史に関する国際的総合研究
Project/Area Number |
22320121
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 正幸 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (90126649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 一秀 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (60238029)
石塚 迅 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (00434233)
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Keywords | 歴史叙述 / 歴史理論 / 歴史認識 / 規範歴史学 / 認識歴史学 / 歴史概念 |
Research Abstract |
東アジアの歴史叙述には規範的要素が強く、西洋の歴史叙述には認識的要素が強いが、本来的に歴史は、洋の東西を問わず、認識的な要素と規範的な要素を内包している。このふたつの要素を分析的に検討することで、歴史の持つ文化的・歴史的・社会的役割を解明するのが本研究の目的である。 本年度は、1、歴史とヒストリーの概念の差違:啓示宗教を軸にした文化と歴史を軸にした文化においては、同じ「歴史」という言葉を使って「過去に対する人々の姿勢」を表現するが、ヒストリーと歴史とではその概念形成の過程において多くの文化的違いがある。この問題に関して研究代表者の論文"The Search for Scholarly Identity:Renaming the field of history in late nineteenth-century Japan"をベースにして研究討議を行った。2、歴史による義認:東アジアでは人間存在を歴史によって義とするのに対して、啓示宗教を持つ西洋及びイスラム文化では人間存在を神によって義とする。この義認(justification)の仕方の違いについて、研究代表者の論文“The Role and Function of History in the East and the West”をもとに研究討議を行った。3、歴史とロゴス:啓示宗教を軸にした文化と歴史を軸にした文化の対比が本研究の根幹をなすが、この対比は、ロゴス(言葉)とプラクシス(行為)という概念の対比に置き換えることが可能か否かに関して、両者の差違と類似性について研究討議を行った。4、歴史における認識と規範の問題に日本人として最初に取り組んだ明治時代の歴史家田中萃一郎の歴史理論を整理・研究した。5、上記の研究成果の一部を2010年8月にアムステルダムで開催された国際歴史学会議において、研究発表した。
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Research Products
(2 results)