2013 Fiscal Year Annual Research Report
認識方法としての歴史と規範としての歴史に関する国際的総合研究
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22320121
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 正幸 山梨大学, その他部局等, 名誉教授 (90126649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 迅 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (00434233)
高野 美千代 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10289811)
服部 一秀 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60238029)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歴史叙述 / 歴史認識 / 歴史的時間 / 規範歴史学 / 認識歴史学 |
Research Abstract |
東アジアの歴史には規範的要素が強く、西洋の歴史には認識的要素が強いが、本来的に歴史は、洋の東西を問わず、認識的な要素と規範的な要素を内包している。このふたつの要素を分析的に検討することで、歴史の持つ文化的・歴史的・社会的役割を解明するのが本研究の目的である。 1:平成25年度は、紀年意識の中でも特に年号と干支による紀年法・創世紀年法・キリスト教紀年法・イスラム紀年法等の間に見られる歴史的時間意識の規範性について考察し、これらの中でなぜキリスト紀年だけが世界共通紀年となることが出来たのかを紀年認識という視点から検討した。 2:編年型歴史文化と叙述型歴史文化に関して、編年史を重要視する東アジアの規範的要素の濃い歴史表現と、歴史はストーリーであると主張する啓示宗教文化における認識的要素の濃い歴史表現を比較考察し、本来歴史そのものの中に内在するふたつの要素のバランスが、なぜその表現形態において異なるのかを考察した。 3:上記の研究成果の一部をドイツ・ミュンヘンで開催された国際歴史教育学会で発表し、ドイツ・ボッフムで開催された国際歴史理論学会で発表した。かつ英文の学術論文2編をInternational Encyclopedia of Social and Behavioral Sciences (Elsevier, 2nd edition, 2014)に、"Historiography and Historical Thought: East Asia" 及び"Time, Chronology and Periodization in History"と題して発表した。加えて日本語の学術論文1編を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
International Encyclopedia of Social and Behavioral Sciences (Elsevier, 2nd edition, 2014)に投稿していた本研究の根幹に関わる下記の2つの英文論文が、半年に及ぶ査読を経て、2014年3月1日に掲載決定の連絡があった。2週間後の3月15日には最終著者校正を終了し、完成原稿を出版社に返送した。これは当初の予定より半年早い刊行決定である。そのため、本研究は当初の計画以上に進展していると判断した。 ① "Historiography and Historical Thought: East Asia" ② "Time, Chronology and Periodization in History"
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策に関しては、当初の予定通り行うこととする。
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Research Products
(6 results)