2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320128
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 真司 京都大学, 文学研究科, 教授 (00212308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 清次 京都大学, 文学研究科, 教授 (30126966)
横田 冬彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (70166883)
谷川 穣 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10362401)
山田 徹 京都大学, 文学研究科, 助教 (50612024)
岩崎 奈緒子 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80303759)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 古文書学 / 朝廷文書 / 文書作法 / 公家文庫 / 勧修寺家文書 / 壬生家文書 / 古記録 / 儀式書 |
Research Abstract |
平成24年度は、平成23年度に引き続き、(1)前近代朝廷文書の原史料の調査と整理・分析を行なうとともに、(2)前近代朝廷所文書に関する文献史料の収集と整理を進めた。 まず(1)については、京都大学総合博物館において、勧修寺家文書および壬生家文書の調査・検討を行なった。このうち勧修寺家文書に関しては、多数の原本を改めて熟覧しながら、古文書・古典籍全点の調書およびデータベースについて補正作業を行なった。このほか東京大学史料編纂所・東京国立博物館・国立公文書館において、東坊城家文書・押小路家文書などの朝廷文書および朝廷文書に関わる史料を調査した。これらは原本から朝廷文書を理解するための作業と位置づけている。なお、中国北京市の中国石刻文化博物館において、中国の皇帝に関わる石刻文書の調査も実施し、比較史的検討の一助とした。 次に(2)については、『延喜式』『類聚三代格』および11世紀以降の古記録・儀式書を博捜し、朝廷文書に関わる記事を収集・整理した。古記録は『小右記』『左経記』『春記』、儀式書は『北山抄』『江家次第』『侍中群要』を対象とし、また『朝野群載』所収文書のデータ化も進めた。昨年度に方向付けを行なった、朝廷文書を体系的に把握するための史料整理の方法・技術を踏襲し、平安時代における朝廷文書の体系・名称、さまざまな文書作法について知見を深めた。作業内容の多くは電子データで集積したが、一部は紙媒体で整理しており、暫定版データベースとして活用している。 以上のような作業を継続しつつ、京都大学文学研究科・総合博物館において研究会を実施した。この場において研究の進捗状況と課題を確認するとともに、「朝廷文書」概念に関する意見交換を行ない、通時的認識の獲得につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
古文書原本の調査、朝廷文書に関する文献史料の収集とも、ほぼ当初の予定通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には平成24年度までの研究方法・体制を持続したい。ただし、前近代朝廷文書に関する文献史料の収集にはかなりの時間と労力が必要であるため、情報量の多い平安時代の古記録・儀式書、および律令規定に傾注して作業を進めることとする。その上で研究の総括を行ない、前近代日本朝廷文書の体系、および文書作法の特質を解明し、全体像を提示することをめざす。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 思文閣出版2013
Author(s)
佐々木克・藤井讓治・三澤純・谷川穣(共編)
Total Pages
1108
Publisher
岩倉具視関係史料 上・下