2010 Fiscal Year Annual Research Report
近世大坂の「法と社会」-身分的周縁の比較類型論にむけて-
Project/Area Number |
22320129
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塚田 孝 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60126125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 徹 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20213168)
大黒 俊二 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50152096)
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Keywords | 都市社会史 / 法と社会 / 身分的周縁 / 比較類型論 / 商人と流通 / 職人 / 乞食・勧進 / 芸能者 |
Research Abstract |
近世大坂を構成する諸社会集団の実態を「法と社会」の方法で解明するとともに、国内外の比較史を進めるための討論を組織した。 近世大坂の法史料の基礎的検討のため、【大坂町触を読む会】を5回、【大阪府布令を読む会】を4回実施するとともに、大阪市立中央図書館所蔵の町触頭書・口達触頭書・幕令(道修町三丁目で作成された触留)の調査・収集を行った。大坂の基本的法史料を広く共有し、研究基盤を構築するため、このうち町触頭書・口達触頭書の翻刻を進め、報告書としてまとめるための作業を進めた。次年度早期に刊行する予定である。明治元年(=慶応4年)の布令についても報告書作成に向けてテキストの整備を進めた。 大坂を中心とした都市内の諸社会集団・身分集団の実態を検討する小円座(ラウンドテーブル)を4回、日韓・日中の比較史に関わる小円座を2回開催し、さらに今年度の研究の集約点として2011年1月10日に円座(シンポジウム)「近世都市における流通・運輸と身分的周縁」を開催した。また、本研究の成果を、上海師範大学主催シンポジウム、AAS年次大会などで発表し、海外に向けた発信にも努めた。 これらにより、都市法史料の基礎的研究基盤の整備を進めることができ、今年度は商人と運輸業者、遊女、芸能者、かわた非人・身分などについて、特に近世社会解体期の状況について分析を深めることができた。
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Research Products
(34 results)