2011 Fiscal Year Annual Research Report
近世大坂の「法と社会」-身分的周縁の比較類型論にむけて-
Project/Area Number |
22320129
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塚田 孝 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60126125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 徹 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20213168)
大黒 俊二 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50152096)
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Keywords | 都市社会史 / 法と社会 / 身分的周縁 / 比較類型 / 商人と流通 / 職人 / 乞食・勧進 / 芸能者 |
Research Abstract |
昨年度にひきつづき近世大坂を構成する諸社会集団の実態を「法と社会」の方法で解明するとともに、国内外の比較史を進めるための討論を組織した。 近世大坂の法史料の基礎的検討のため、【大坂町触を読む会】を3回、【大阪府布令を読む会】を4回実施した。大坂の基本的法史料を広く共有し、研究基盤を構築するため、大阪市立中央図書館所蔵の町触頭書・口達触頭書の翻刻を進め、報告書として刊行した。現在読んでいる町触のテキストは終了したので、新しいテキストの輪読を進める。明治元年(=慶応4年)の布令についても、他のテキストとも比較しながら報告書作成に向けてテキストの整備を進めた。 大坂を中心とした都市内の諸社会集団・身分集団の実態を検討する小円座(ラウンドテーブル)を4回、近世社会と訳語問題に関する国際円座を開催した。このほか、近世前期の大坂に関する史料の発掘にも努めた。 また、本研究の成果を、上海大学との共催シンポジウム「東アジアにおける都市社会史への視点-上海と大阪を中心に-およびイェール大学東アジア研究所との特別シンポジウム「City and Regionin Japanese History」で総括するとともに、海外の研究者との交流にも努めた。 これらにより、都市法史料の基礎的研究基盤の整備を進めることができ、今年度は町、商人、寺社、かわた・非人などにについて分析を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料輪読会や報告書の刊行、国際円座や小円座の開催など、研究計画に沿って順調に進んでいる。また海外でのシンポジウムの共同企画・開催を実現し、中国・アメリカなど海外の研究者との交流も広がり、中国都市(特に上海)との比較史も進捗している。しかし、ヨーロッパ都市との比較史がやや遅れており、次年度国際シンポジウムをぜひ実現させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
事務局会議を定期的に開催し、史料調査、史料輪読会・小円座などの研究会の開催、海外との比較・交流などをバランスよく実施していくとともに、成果の集約に向けた研究会の実施なども定期的に行っていきたい。
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Research Products
(35 results)