2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (10222978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 時彦 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70027564)
小野寺 史郎 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (40511689)
袁 広泉 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50467396)
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50346053)
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Keywords | 政党 / 中国現代史 / 中国共産党 / 中国国民党 / 中国青年党 / 政党社会学 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の現地調査、資料調査を通じて得られた諸資料の整理・分析を進めるとともに、政党文化が在地社会において、どのような展開・変容を見せているかについて、フィールドワークを交えた調査を行った。研究分担者の森が8月から9月にかけて、寧波、河北省新河県、および中国西南内陸地域(四川、雲南)において実施したものがそれであり、研究代表の石川、および分担者の村上、小野寺、哀も、旅費を別途調達して、四川-雲南間の調査に同行した。これらの調査は、例えば雲南省麗江においては、雲南省社会科学院の研究者の協力を得て実施されたが、そうした調査によって、"党"文化が、在地の宗教的、民族的習俗との交合を果たしつつあることを再確認した。また、例えば麗江の史跡「木府」の再建が、多分に民族的、政治的な意図を込めて、人為的になされた事実も確認した。いわば、少数民族としての「納西族」の危機意識と民族的自尊心とが、共産党の意向(多民族共生)の枠組みを借りて、蘇生されられているのである。また、今年度もこの研究課題に関する専門家との討論をすべく、共同研究班「現代中国文化の深層構造」を組織し、研究代表者・研究分担者を中核として隔週の研究会を14回にわたって開催し、合わせてそれら海外調査を通じて得られた諸資料や購入した英語資料(North China Herald)・の紹介・分析を進めた。 このほか、本研究課題の成果の一部を、10月に中国・武漢で開催された辛亥革命100周年記念国際シンポジウムにおいて、研究報告の形(石川禎浩「西方社会主義者所観察的晩清中国社会主義」)で披露した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画においては、研究代表者の主宰する共同研究班「現代中国文化の深層構造」に如何に他分野の研究者を取り込み、資料の解析を精緻に行えるかが大きなカギであったが、この共同研究班は研究分担者の協力もあり、定期的な開催という軌道にのりつつある。また、北京大学、中国社会科学院近代史研究所、中央研究院近代史研究所(台湾)といった海外の研究機関の協力も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進にあたっては、むろんフィールドワークと文字資料による知見とを、より有機的に結合させる必要があるが、それとならんで、第三年を迎える本課題は、その成果を海外に向けて積極的に発信し、それによってより多くの研究者との対話・討議を行わなければならない。それゆえ、平成24年度においては、オランダのライデン大学で6月末に開催されるHistory,Identity&Collective Memory : In Search of Modern Chinaと題するワークショップで本研究の成果の一端を報告し、欧米において類似の課題を討究する研究者との共同研究を進める予定である。
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Research Products
(18 results)