2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320151
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
豊川 浩一 明治大学, 文学部, 教授 (30172208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂内 徳明 一橋大学, その他の研究科, その他 (00126369)
三浦 清美 電気通信大学, 情報理工学部, 准教授 (20272750)
丸山 由紀子 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (20401432)
栗生澤 猛夫 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (40111190)
吉田 俊則 富山大学, 人文学部, 教授 (40240296)
兎内 勇津流 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (50271672)
宮野 裕 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (50312327)
井内 敏夫 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60120903)
田邉 三千廣 星城大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70259357)
浅野 明 山形大学, 人文学部, 教授 (90133909)
中澤 敦夫 富山大学, 人文学部, 教授 (90242388)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 前近代ロシア / 動乱時代 / アヴラーミー・パーリツィンの物語 |
Research Abstract |
本年度は昨年度6月から行っている17世紀初頭を中心とした近世ロシアの法典全体の意味を問い、かつ『会議法典』のロシア法における位置づけの研究を進めた。 具体的には、月1回の定例会で、『聖三位一体修道院の包囲についてアヴラーミー・パーリツィンの物語』(『パーリツィンの物語』と略)の翻訳・解釈を行い、そこで得られた知見をもとにして前近代ロシア社会の諸問題を浮き彫りにしてきた。この書の検討により、17世紀初頭モスクワ国家の混乱している様子、ポーランドおよびリトアニアによるモスクワ国家侵入の様子、等が詳細に明確になった。また、17世紀ロシア語のテキストを言語学的および歴史学的観点から詳細に読み進めるという方法により、言語学的により正確で、内容的により深い理解をもった翻訳をおこなっている。その意味からも学問的に寄与するところが大である。 先の『パーリツィンの物語』の翻訳・解釈に加えて、7月には、研究分担者による「アヴラーミー・パーリツィンの著作のテキスト成立史の研究概観」と題する報告会、12月にはポーランド・リトアニア史の専門家による「サピエーハ一門の来歴」と題する報告会を開催し、テキスト分析と並んで17世紀リトアニアの内部事情の検討を行った。その意味では、研究課題をさまざまな角度から分析してきたと言える。 以上の全体的な研究に加えて、研究代表者・分担者・協力者は各自の史料研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在読み進めている『アヴラーミー・パーリツィンの物語』について、その翻訳・解釈作業が順調に進んでおり、かつそのテキストにまつわるさまざまな問題に研究分担者・協力者が多角的に取り組んでいるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、従来から進めている『アヴラーミー・パーリツィンの物語』の翻訳・解釈作業を今後とも行うこととし、かつ研究分担者・協力者各自がその史料研究を推進することとする。そのために、月1回の定例会を滞ることなく行い、研究の進展を図る。さらには、その成果を社会に問うべく、合宿を行って研究の集約を図りながら、成果報告として刊行する。また、以上を行うために、必要に応じて、外国の研究者との意見交換を行うこととする。
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