2012 Fiscal Year Annual Research Report
法史・国制史における「伝統」と「構築」――転換期を中心とした多層的アプローチ
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22330001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田口 正樹 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (20206931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 信夫 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (40004171)
西川 洋一 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (00114596)
大月 康弘 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70223873)
小川 浩三 専修大学, 法学部, 教授 (10142671)
神宝 秀夫 九州大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (90118331)
松本 英実 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50303102)
新田 一郎 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 教授 (40208252)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ローマ法 / 古代末期 / ドイツ / 裁判 / フランス / 最高裁判所 / 中世 / 近世 |
Research Abstract |
今年度は計画の最終年度であり、個別の論点の検討を深めつつ、研究成果の集約と総括につとめた。その過程で議論された具体的な論点としては、例えば、5世紀の法学著作Epitome Gaiを素材として、古典期ローマ法の伝統と帝政後期におけるその変容が検討され、かつては古典期法学の水準低下と見なされてきた変化を、帝政後期独自の法的展開の反映としてとらえる見方が示された。 また、中世後期ドイツにおける裁判提案の発生と展開が検討されて、実力行使を法的手段として許容する伝統的土壌が、ラント平和運動や学識法の影響を受けて、紛争当事者の実践レベルで変質していく様相が明らかにされた。近世フランスの商事裁判所における王令の登録や公示、および商事裁判所と他の裁判所との管轄争いの検討からは、中世的伝統を取り込みつつ形成されていたフランス王権の複合的司法システムと、それが18世紀に入り法律家の関心の移動や新たな文献ジャンルの展開を通じて質的に変化していく姿が浮かび上がった。 更に、ペーター・エストマン教授(ドイツ・ミュンスター大学)をゲストに迎えて、近世ドイツの帝国の2つの最高裁判所(帝国最高法院と帝国宮内法院)と領邦の裁判権や教会裁判権との関係などを議論し、中世以来発達してきた裁判権構造が上訴制度などによって整理されつつも、なお随所に解決されない争点を残している状況を確認した他、前近代史研究の今日的意義や法史研究の目的と役割規定に関しても意見を交換し、ドイツ学界の視点とつきあわせることにより、本研究の意義を見定めるようつとめた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)