2011 Fiscal Year Annual Research Report
日系企業の環境変化適応と広報・コミュニケーション戦略に関する実証的研究
Project/Area Number |
22330107
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮部 潤一郎 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (60374641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 浩平 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (50333638)
伊藤 直哉 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (60261228)
遊川 和郎 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40312409)
北見 幸一 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90455626)
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Keywords | 経営戦略 / 広報戦略 / 組織コミュニケーション / グローバル・コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究は、急激な経済環境変化に直面しているわが国企業が組織的な改革と革新を遂げながら適応・発展する姿を、組織のコミュニケーションに注目して同時的に把握分析することを目的としている。平成23年度は、3月11日に生起した東日本大震災に関わるコミュニケーション活動、震災後に顕在化すると想定される様々な社会経済環境の変化に対応した広報・コミュニケーション活動を同時的に把握することを中心課題として研究を継続した。 まず震災後1カ月になる4月に北海道の観光事業者を対象とする調査を実施し、同時に実施した消費者の調査と併せて結果報告のシンポジウムを開催した。この調査は中小中堅企業の緊急時対応に関わるコミュニケーション活動を同時的に把握したところに意義があると考えられ、この結果から中小中堅規模の企業における意思決定行動とコミュニケーション行動の関連を考察する端緒をつかむことが出来た。この調査の結果は報告書として8月に公開した。また、この調査に基づく考察は日本広報学会で2本の報告として学会発表を行い、さらに3月の国際学会での報告を行った。 また、震災1年後にあたる2012年3月にフォローアップのための質問紙調査を実施した。この調査結果は震災後1年のタイミングで実施したため、年度内には概要報告をまとめたにとどまった。本格的な解析は24年度の調査研究と併せて実施する予定である。 以上の研究活動と並行して、22年度からの研究課題であった日系企業のグローバル展開に伴う広報・コミュニケーション活動の把握に関して、中国への進出企業を対象とした調査を実施した。この調査から、急速に変化する環境下での現地組織のコミュニケーション課題が明らかになった。 2012年1月に、東日本大震災後の社会経済環境変化を踏まえての広報・コミュニケーション活動と機能の変化に関する実務家を交えてのワークショップを実施した。企業組織内の広報の位置づけ役割に変化の兆しがみられるとの指摘はこれまでの調査結果に符合するものであった。ここでの議論の成果の一部は3月のIPRRCにおける報告の基礎の一つとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究活動を順調に消化してきた。同時的に企業の活動を把握するという当初の目的から、フォローアップ調査を震災後概ね1年となる2012年2月から3月にかけて実施することとしたため、成果の論文化などは24年度の活動と併せて実施することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度が本研究課題の最終年度となる。同時的に把握するという目的から、24年度も調査を継続する。構築を継続している広報人材データベースに関しては、時系列分析が可能になるようにデータ整備を進める。メンバーの一部交代に伴い、実務経験者を研究協力者として参加を仰ぐこととする。研究協力者を中心に、ディスカッションミーティングを複数回開催することを検討する。
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Research Products
(3 results)