2011 Fiscal Year Annual Research Report
金融危機後の日系企業生産拠点の配置と調整:その要因とインパクトを探る
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22330108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 昭夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80257435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00139982)
猿渡 啓子 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80178821)
川端 望 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20244650)
日置 史郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80312528)
菅原 歩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10374886)
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Keywords | 金融危機 / 生産拠点 / 配置と調整 / ソフトウエア産業 / イノベーション創出 / EV(=電気自動車) / グローバル人材 / 人材育成策の変容 |
Research Abstract |
世界第二位の経済大国に急成長した中国経済の構造変化、リーマン・ショック後の金融危機、東日本大震災、タイの大洪水、ユーロ危機に起因する円高など、日系企業のアジア生産拠点とそのサプライチェーンの断裂と再編など、2011年は世界経済の大変化をもたらす事態が連続して生起した。こうしたなか、日系企業はアジアにおける生産拠点の配置と調整が鋭く求められた。この新たな事態の進展を踏まえ、特に中国、タイ、マレーシアなどにおける日系企業の生産拠点の配置と調整、その要因となる技術や人材だけでなく、サプライチェーンを含む生産拠点のSuitableな展開に向けた新たな動向の検証を試みた。 中国については、大連における日系ソフトウエア産業集積の変容と新たな取り組みに関し、アンケートを実施し、その新たな展開を検証しつつある。長江デルタにおける産地企業の集積とその変容、及びこうした変容に対する日系企業の対応について、アンケートをもとにその動向の究明を試みた。タイについては、EV技術欄発の現実を検証し、タイ経済が技術面での高度化と幅広い裾野を持ち、日系企業は、洪水などのリスクを負いつつも、タイでの生産拠点の拡充を避けざるを得ない現実を解明しようと試みた。同時に、マレーシアやバングラディッシュなど近隣国での日系企業生産拠点の再編成などについても、その背景分析を行った。さらに、こうした再編成に対し、日本の大学を卒業した高度人材の活用についても、その動向を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における中心課題である中国における日系企業の生産拠点の配置と調整の実態を探るべく実施した大連市におけるソフトウエア産業、及び浙江省北部における産地企業のアンケート調査がほぼ順調に実施・回収されていることから、本研究はおおむね順調に進展していると評価しえる。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度及び23年度において、中国、タイ、マレーシアなどにおける日系企業の生産拠点の再編成に関する調査活動から得られた事実を踏まえ、最終年度である今年度は、これをM/ポーターの配置と調整という経営学視点から整理し、東アジアにおけるモデルの構築を目指す。それらを報告書として纏めることを目指し、中国、タイなどの研究者との交流とシンポジウムを通じ、本研究成果の妥当性を検証し、企業を含め、関係機関と成果を共有し、今後の日系企業の東アジア進出のモデルにしたい。
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Research Products
(13 results)