2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22330127
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
鈴木 勘一郎 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (10569784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 大 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (90303346)
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Keywords | 経営組織 / 知識創造 / イノベーション |
Research Abstract |
本研究の2年目である2011年度の研究課題は、初年度での文献研究や準備段階における数社の識者インタビュー等を踏まえて、アンケート調査用の質問票を完成させ、その後実際にアンケート調査を実施し、さらに回答企業にその結果をフィードバックすることであった。アンケート調査に関しては、日本の製造業を代表する総合電機・電子機器、機械・その他機械、製薬、その他製造などのセクターにおける上場製造企業(研究開発部門/研究企画部門)を調査ターゲットにして、6月から7月にかけて実施した。具体的には、上場企業935社に対して質問票を送付し、最終的に125社から回答(回答率13%を得ることができた。続いて単純集計を行った上で、文献研究から導き出された6つの知識創造の促進要因(Knowledge Creation Accelerator:KCA)の観点から回答してもらった個別企業を解析し、各企業に対してフィードバックを行った。なおKCAと呼んでいるものは、(1)知識吸収能力、(2)内部連携強度、(3)外部連携強度、(4)従業員コミットメント、(5)SECIバランス、(6)協力と信頼などの6つの組織要因である。企業によっては、いくつかのKCAのバランスが取れている企業とそうではない企業があり、そうした違いの影響も今後の分析対象の一つである。またKCAに影響を与える要因を探る統計分析からは、経営実践と組織資源の組み合わせの違いが、KCAに影響を与えていることを推測させる結果が入手できた。さらに組織たおける知識創造やイノベーションに関して、リーダーシップが重要な役割を果たしていることから、米国のHarvard大学,UNC-Chapel Hill,Stanford大学の学者と、リーダーシップと組織機能、知識創造などに関する議論なども行った。そういう内容は最終年度における分析とそのまとめに生かして行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も労力がかかりかつ重要視していた上場製造企業へのアンケート調査と、その結果の回答企業へのフィードバックを年度内に完了することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
文献研究等やインタビュー調査によって導出された幾つかの概念仮説(例えば上述の知識創造促進要因と成果との関係など)について、アンケート調査結果データを使って実証分析を行う予定。またその結から複数論文を執筆すると共に、学会での報告と議論や民間企業向けのセミナー開催などの機会も創出して、研究結果の広報を今年度に実施することを予定している。
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Research Products
(4 results)