2010 Fiscal Year Annual Research Report
「多文化」時代における日本の社会不平等:人の移動と格差問題の関係を探る
Project/Area Number |
22330142
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹中 歩 東北大学, 大学院・文学研究科, 非常勤講師 (60564680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 仁子 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (80322981)
リウ・ファーラー グラシア 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 准教授 (70436062)
ファーラー ジェームス 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (40317508)
土田 久美子 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教 (20553035)
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Keywords | 国際社会 / エスニシティ / 国際人口移動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、在日外国人の体系的な時系列データを収集することにより、彼らの社会移動を分析することである。人の動きと社会移動の関係を見極めることで、新たな視点から日本の不平等問題について考察することとする。「ニューカマー」と言われる在日外国人が急増した1980代以降、日本社会は大きく変化し、「多文化共生」や「格差」の問題が活発に議論されるようになった。しかし、ニューカマーたちが、ここ20数年間、どのように、そしてどの程度まで社会的地位の向上を成し遂げてきたのかは明らかになっていない。そこで、本研究では、在日ニューカマーの主な集団を対象に、(1)データ収集、(2)データ入力、そして(3)データの比較分析とまとめを今後三年間の予定で進めていく。 初年度の平成22年-23年は、主に調査票の準備とデータ収集に従事した。質的・量的データを集めるために「エスノサーベイ」と呼ばれる面接聞き取り調査を実施し、学生などの面接補助員の研修を行なった。その上で、面接対象者を選び、調査票を調整しながら聞き取り調査を開始した。面接対象者は、主な集団である(1)南米人(ブラジル人、ペルー人)、(2)欧米人(アメリカ人等)、(3)東南アジア人(フィリピン人、タイ人)、(4)中国人、(5)韓国人に絞り、関東在住の20歳以上、外国生まれの長期日本居住者とした。15人ほどの調査員を導入し、約130標本(130世帯)を収集することができた。 二年目は、データ収集を継続すると共に、面接票の確認とデータ入力を開始する。また、その間、本プロジェクトのウェブサイトを立ち上げることとする。
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