2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330174
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
三品 桂子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (50340469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉知 延章 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10364697)
岡田 まり 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40309076)
長崎 和則 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90309641)
佐藤 純 京都ノートルダム女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90445966)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 精神保健福祉 / ACT / 疾病管理とリカバリー / 援助付き雇用 / スタッフ研修 / フィデリティ評価 / 家族支援 |
Research Abstract |
1. ACTにおける疾病管理とリカバリーの研究:ACT-Kの利用者が活用している就労移行支援事業所において、グループを実施した。結果、同プログラムは、利用者のリカバリーやエンパワメントに効果があることが明らかになったが、利用者より「1つのテーマが長すぎて苦痛である」「簡略にしてほしい」などのフィードバックがあったので、ニューヨーク州で改訂された「Wellness Self-Management」を翻訳し、日本語版テキストとして用いられるように編集した。 2. ACTにおける援助付き雇用に関する研究:わが国でACTチームとして就労支援を行う場合のシステム・制度について検討を行った。ACT-Kにおけるシステムをケーススタディとスタッフに対するヒアリングによって検討を行い、ACT-Jのシステムについてヒアリング調査を行った。 3. ACTスタッフに対する研修のあり方に関する研究:ACTスタッフでスーパービジョンを受けている5名と受けていない5名を対象として面接調査を行った。両者の間にはスーパービジョンの意義や必要性についての認識に大きな乖離があり、今後、スーパービジョンについての適切な共通認識を広げることが一番の課題であることが明らかになった。 4. ACTのフィデリティ評価に関する研究:昨年度行ったインタビューのデータを質的に分析した。また、ニューヨークのACTチームスタッフにフィデリティの項目に関するヒアリングを行い、先の質的分析と合わせて分析内容をとりまとめた。 5. ACTにおける家族支援に関する研究:英国における訪問による家族支援技法Family Work(FA)の導入プログラムの精緻化を図るため、平成22年度に引き続き現地調査を行った。FAを使用しているスタッフやその支援を受けている家族への聞き取り調査等を行い、わが国におけるFA導入における今後の課題について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. ACTにおける疾病管理とリカバリーの研究:Illness Management & Recovery: IMRが使用しにくい実態は、日本でも米国でも同様で、IMRを発展させて改訂した「健康自己管理プログラム:Wellness Self-Management: WSM」を翻訳し、編集を終えたことにより、おおむね順調に進展している。 2. ACTにおける援助付き雇用に関する研究:ACT-KにおけるSupported Employmentプログラムは、着実に発展し、京都で一番の成果を上げており、それをシステム化するよう試みており、おおむね順調に進展している。 3. ACTスタッフに対する研修のあり方に関する研究:ACTスタッフには、スーパービジョンの意義や必要性についての認識に大きな乖離があることが判明し、おおむね順調に進展している。 4. ACTのフィデリティ評価に関する研究:質的調査結果を活かした尺度開発ができておらず、研究が遅れており、次年度は研究者を増やし、研究代表者も参加し、目標達成に努める。 5. ACTにおける家族支援に関する研究:日本での導入に関する広がりが進まず、やや遅れているものの、基盤ができたので次年度にモデルの提示は可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. ACTにおける疾病管理とリカバリーの研究:昨年度翻訳・編集したWellness Self- Management: WSMをACTの利用者に試行し、効果を測定するとともに利用者からフィードバックを得て、使用方法を確立する。 2. ACTにおける援助付き雇用に関する研究:福岡・岡山および長崎のACTチームにおける就労支援のプログラムと、それを行うためのシステム・制度についてヒアリング調査を行う。引き続きACT-K(京都)において事例研究を行い、効果的な就労支援プログラムについて検討を行う。最後に、ACTにおける効果的な就労支援プログラムと、わが国の制度でそれを行うためのシステム、活用する制度のあり方についてまとめる。 3. ACTスタッフに対する研修のあり方に関する研究:スタッフ個人の力量向上だけではACTサービスの向上につながるとは限らないことがこれまでの研究から明らかになったため、2013年度はスタッフの力量向上やチームワークの発揮に役立つ研修やスーパービジョンを可能とするための組織のあり方を文献研究を中心として行うなかで明らかにする。 4. ACTのフィデリティ評価に関する研究:質的研究で抽出されたフィデリティに関する項目を日本版ACTフィデリティ尺度と統合し尺度を精緻化し、ACT全国ネットワークに加盟するチームの協力を得て、測定する。その後各チームよりフィードバックを得て、尺度を完成する。 5. ACTにおける家族支援に関する研究:訪問による家族支援技法である「Family Work」を導入するためのわが国における教育システムやスーパーバイズシステムを検討し、モデルを構築する。具体的には、研修の対象、カリキュラムやその方法、実施機関、スーパーバイズシステムの方法、そして実施に伴う効果測定のあり方について、わが国において実現可能なモデルを提示する。
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