2011 Fiscal Year Annual Research Report
保育・教育場面における社会性発達アセスメント・スケールの開発
Project/Area Number |
22330185
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本郷 一夫 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30173652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦野 悦子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (50114921)
長崎 勤 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (80172518)
須田 治 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50132098)
澤江 幸則 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (20364846)
相澤 雅文 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10515092)
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Keywords | 発達アセスメント / 社会性発達 / 間接検査 / 保育・教育場面 / 対人的トラブル / 運動発達 |
Research Abstract |
<研究の目的>2011年度は、2010年度に引き続き、乳幼児・児童の社会性発達スケールを作成することを目的として、従来の直接的発達検査・知能検査、間接的発達検査の項目を抽出し、認知、言語、社会性(対成人、対子ども)、情動、運動の各領域に配列するとともに、各項目の妥当性の検討および保育所・幼稚園・小学校における予備調査を開始した。 <研究の方法> 1.保育所の「気になる」子どもの発達的特徴を明らかにするために、運動発達の側面と社会性の発達との関連を検討した。その結果、「気になる」子どもについては、3歳児においては運動発達面での遅れはないが、4歳児以降に運動発達の遅れが顕著になること、これは運動調整能力の問題と関係することが示唆された。また、「気になる」子どもについては運動発達そのものの遅れよりも、自分自身の運動面での不得意感が5歳児ころから顕著になること、それが社会性の発達に影響を及ぼすことが示唆された。 2.小学生児童を約1400名を対象として「気になる」子どもとそれ以外の子どもの学校適応尺度「Q-U」の違いについて検討した。その結果、「気になる」生徒はその他の生徒に比べ「学校不適応群」の割合が高いことが示された。また、「気になる」生徒については、小学校下学年では「承認得点」が低いこと、上学年では「被侵害得点」が高いことが示された。生徒学年が上がるにつれて、外在的行動の頻度は減少するものの、生徒自身が感じる適応感(内的適応感)が減少することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日に起こった東日本大震災の影響で、大学の授業開始の遅れ、施設・設備の修復などにより研究の着手がやや遅れた。また、宮城県においては、当初予定していた保育所、幼稚園、小学校の調査が実施できないところもあり、2011年度に収集を予定していた研究データが十分には集められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年度は東日本大震災の影響もあり、研究の着手が遅れたり、フィールドが十分確保できないこともあったが、2012年度は計画を遂行する環境も整っているので、当初の予定に加えて、2011年度に収集できなかったデータも収集することによって、従来の4年間の計画を遂行する予定である。
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