2010 Fiscal Year Annual Research Report
分権改革下における公立小、中学校組織の変容と教職員の意識及び職務実態に関する研究
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22330211
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水本 徳明 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90239260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 栄一 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50370078)
臼井 智美 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30389811)
加藤 崇英 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30344782)
金川 舞貴子 岡山学院大学, キャリア実践学部, 講師 (40452601)
雲尾 周 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30282974)
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Keywords | 分権改革 / 感情労働 / 教職員の感情 / 学校組織 / 学校経営 |
Research Abstract |
事例研究1 小中一貫教育を実施している学校及び中等教育学校を事例として選定し,文書資料を収集するとともに,管理職に対するインタビュー調査を実施した。 事例研究2 事例研究1で選定した学校及びそれ以外の学校の教職員に対して半構造化インタビュー調査を実施した。インタビューは基本属性とここ10年での仕事上での最も大きな変化とそれへの感情という共通質問のほか,(A)授業や生徒指導などの場面ごとの変化とそれに関する感情,(B)やりがいや不安などの感情を抱いた出来事や場面,(C)指導要領の改訂や教員評価の導入など近年の制度改革に対する認識とそれへの感情,という3パターンで行った。その分析結果は,2011年6月5日の日本教育経営学会第51回大会「課題研究」において発表予定である。また,その分析結果に基づいて,平成23年度のインタビュー調査の項目を検討した。その結果として,教職員が近年の教育改革に対して不安や徒労感を抱くとともに,場合によっては新たな専門性の伸張に取り組む意欲をもつなど,複雑な感情を抱いていることが明らかとなった。 理論研究 分権改革の学校経営への影響に関する先行研究について検討するとともに,主にHargreaves,A.による研究に基づいて,教員の感情と学校組織に関する理論的検討を行った。その結果,分権改革が学校内部にもたらした影響に関する研究が立ち後れていること,またその研究を行う際に教職員の感情に注目すると学校組織の新たな側面をとらえられる可能性のあることが明らかとなった。その成果の一部は『日本教育経営学会紀要』第52号の「研究動向レビュー」として発表するとともに,2010年6月5日の日本教育経営学会第50回大会「課題研究」において発表した。またその概要は2011年6月刊行予定の『日本教育経営学会紀要』第53号に掲載される。
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Research Products
(2 results)