2010 Fiscal Year Annual Research Report
教育資源調達手法総動員による教育組織パフォーマンス向上施策の学際的研究
Project/Area Number |
22330214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 茂 京都大学, 教育学研究科, 教授 (60206878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 郁夫 玉川大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10130296)
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 研究員 (20380785)
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Keywords | スクールファンド / 基金 / 寄付 / 教育・研究の活性化 / コミュニティスクール / 地域経済 / 貨幣的資源 / 外部資金 |
Research Abstract |
本年度の研究では、まず国内調査として、コミュニティスクールの指定を受け、スクールファンド等を設けている小・中・高総計650校を選び、校長およびPTA役員に対する調査票調査を実施した。また大学基金を設置している大学についても650校を対象に調査票調査を実施した。この調査の目的は、i)寄付等の貨幣的資源の調達量、ii)寄付等の貨幣的資源による教育・研究内容の多様化・活性化状況、iii)多様化・活性化促進構造と促進条件の探索、である。22年度では調査票の配布と回収までを実施し、23年度で分析を推進することとしている。調査票の作成に先立ち、先進的なコミュニティスクールである、新宮市立光陽中学校、津市立南が丘小学校へヒアリングに行き、関係資料等の収集に努めた。大変ユニークな実践があり、学習指導要領外の多様な教育活動の実践と予算配分を超える外部資金調達は不可分一体である実情も明らかになった。地域経済、父母・地域住民の日常の消費行動と学校支援の同時展開など多様な組み合わせによる財源調達行動が見られた。また外国事例として、米国、英国へ調査に赴いた。米国では、ニューヨーク州立大学の基金担当者へのインタビューを行い、基金調達の状況について意見交換を行った。近隣のマンハッタンという経済の中心地からの資金導入のための実務的戦略について多くのことを学んだ。また私立大学であるコロンビア大学の基金担当者の所へ行きインタビューを行った。こちらでも基金のための財源調達の戦略-特に国際戦略について詳しい情報を得た。さらに英国のケンブリッジ大、オックスフォード大、ロンドン大学の基金担当当局へ行き、基金のキャンペーンの内実、財源調達状況、高等教育財源に占める基金の歴史的傾向について貴重な情報を得た。
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