2011 Fiscal Year Annual Research Report
民衆の学びをめぐる史的交渉についての実証的地域研究-就学告諭を結節点に-
Project/Area Number |
22330218
|
Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
川村 肇 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (60240892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 明夫 大東文化大学, 文学部, 教授 (60232005)
大矢 一人 藤女子大学, 文学部, 教授 (10213878)
軽部 勝一郎 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (30441893)
熊澤 恵里子 東京農業大学, 教職・学術情報課程, 教授 (90328542)
三木 一司 近畿大学九州短期大学, 保育科, 准教授 (60304705)
|
Keywords | 就学告諭 / 学制 / 民衆 / 学び / 学校 / 地域 / 教育要求 / 言説 |
Research Abstract |
平成23年度の研究実施計画では、フィールドワークの整理、予備的調査、言説分析、比較検討の4点を挙げていたが、下記の点で成果を上げることができた。 (1)個別のフィールドワークの実施:研究分担者に割り当てているフィールドに入った。具体的には和歌山、島根、三重、熊本、長野などである。研究分担者のそれぞれの関心に従って資料調査に当たったが、就学告諭を中核とする様々な資料群の収集に務めた。特に、今年度は就学告諭に限らず、その周辺資料として、豪農層の活動の多様性を考慮しつつ、彼らの日常的な活動を示している日記や書簡資料を含む私家文書までを収拾した。今後学校設立の動きを、その他の文明開化に関する諸活動の中に位置づけて考えていくことになる。その端緒を開くことができた。 (2)言説等の分析:個別に収集した資料に基づき、研究会において就学告諭に現れている言説の分析および就学告諭の普及・頒布過程などを検討した。例えば京都の告諭が三重県でも参照されていたことを示す資料が発見されるなど、水平的な広がりの一端を発見した。これは他県、他地方にも見られることが予想され、次年度以降に継続して調査を必要とする。 (3)集団によるフィールドワークの実施:研究分担者8名と研究協力者3名が重点地域として設定した三重県伊勢市に入り、神宮文庫および伊勢市市立図書館で資料収集を行った。当該地域の郷学校設立にかかわる文書とともに、郷学校設立に当たって中心的な役割を果たした人物の書簡等を含む資料群を掘り起こし、収拾・読解することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りの資料収集が進展しており、懸案だった重点地域に集団で調査に入ることもできている。他方で今年度実施予定だった諸外国との比較検討が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)最新の就学告諭収集データに基づき、従来のデータを点検、整備して完成させる。 (2)個別地域の資料収集と資料分析を進める。 (3)諸外国、特に中国や韓国など、アジア諸国の学校組織化との比較検討を行う。
|
Research Products
(3 results)