2012 Fiscal Year Annual Research Report
民衆の学びをめぐる史的交渉についての実証的地域研究-就学告諭を結節点に-
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22330218
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
川村 肇 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (60240892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 一人 藤女子大学, 文学部, 教授 (10213878)
軽部 勝一郎 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (30441893)
高瀬 幸恵 鶴川女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (30461792)
荒井 明夫 大東文化大学, 文学部, 教授 (60232005)
三木 一司 近畿大学九州短期大学, 保育科, 准教授 (60304705)
池田 雅則 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60609783)
熊澤 恵里子 東京農業大学, 教職・学術情報課程, 教授 (90328542)
宮坂 朋幸 大阪商業大学, 総合経営学部, 講師 (90461954)
森田 智幸 山形大学, 大学院教育実践研究科, 講師 (70634236)
竹中 暉雄 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (70064722)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 就学告諭 / 学制 / 地域 / 就学督責 / 義務教育 / 学校 / 史的交渉 |
Research Abstract |
個別のフィールドワークの実施:研究分担者に割り当てているフィールドに入って就学告諭を中心とする教育史関連の資料を収集した。具体的には和歌山、山形、福島、青森、奈良などである。研究分担者のそれぞれの関心に従って資料調査に当たったが、就学告諭を中核とする様々な資料群の収集をすることができた。今年度も昨年度に引き続き狭い意味での就学告諭に限らず、その周辺資料として、豪農層の活動の多様性を考慮しつつ、彼らの日常的な活動を示している日記や書簡資料を含む私家文書までを収拾した。各地のフィールドワークから、今年度に入っても新たな就学告諭の発見が続いた。 就学告諭の整理:当補助金を得て研究している研究会が、その前身の研究会から継承した就学告諭の成果と、新に収集した就学告諭を集団的に検討し直した。それによって、就学告諭の意味を問い直し、就学告諭の分類法を確定して、それに基づいた整理を行った。具体的には、(1)狭義の就学告諭、(2)狭義の就学告諭ではないが、告諭内容を看取することができるもの、(3)狭義の就学告諭ではないが、告諭した事実を物語るもの、の3分類である。この過程で、このいずれにも入らないものを除き、分析する基礎資料を確定しつつある。 言説等の分析:個別に収集し、集団的に検討した資料に基づき、研究会において就学告諭に現れている言説の分析および就学告諭の普及・頒布過程などを検討した。 国際比較:ヨーロッパに長く脅威であり、日本とほぼ同時に近代化を迎えたトルコ、近世までアジアに大きな影響力を保っていた中国(清)と日本の教育近代化過程を比較検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中にも新たな就学告諭の発見が続いているため、就学告諭の整理が遅れている。当初は当研究会が継承した前身の研究会の収集資料の形式的整理を早いうちに行う予定であった。しかし、研究分担者が分担した地域のフィールドワークを精力的に行ったところ、これまでの収集範囲である府県史料と自治体史の枠を超え、第一次資料にまで調査対象を拡大することになり、その結果として新たな就学告諭が見出されることになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
就学告諭の整理は予定より遅れているが、その分類・整理方法を確立したことにより、急速に整理を進める素地が出来上がっているため、今年度は早い時期(遅くとも5月中)にその整理を終えて、就学告諭を分析する基礎資料を固める。同時にそれと併行して、各自が分担した地域や論点に従い、研究成果を発表するための準備に入る。9月末をめどに論文の執筆を終えて編集に入り、日本学術振興会の出版助成なども含めた出版の可能性を探る。
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Research Products
(4 results)