2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330251
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
永田 忠道 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (90312199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片上 宗二 安田女子大学, 文学部, 教授 (60007755)
木村 博一 広島大学, 教育学研究科, 教授 (10186330)
角田 将士 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70432698)
釜本 健司 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (10435208)
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Keywords | 市民性 / 教育史 / 社会科 / 韓国 / 中国 / 英国 |
Research Abstract |
本研究は,日本と韓国の社会科教育史研究者の共同研究体制によって,両国における市民性が,学校教育の中で過去にどのように育成されてきたか,そして現在ではどのように形成されようとしているかを,両国のカリキュラムと授業実践を中心に他国の動向も視野に入れながら,比較と歴史の視点から明らかにするとともに,その知見を活用した両国共通の新たな市民性カリキュラムの開発までを目的とするものである。今年度は,日本と韓国及び中国と英国での3回の研究委員会とワーキング会議及び現地調査を行いながら,日韓両国の社会科における市民性育成の現状と経緯に関する検討を積み重ねた。特に昨年度に実施した韓国の中学生を対象とした市民性に関する調査結果の分析を進めて,10月に開催された全国社会科教育学会の全田大会においては,「市民性に関する比較教育史研究-日本と韓国の調査をもとに-」の題目で中間的な報告を行った。12月には大阪教育大学で開催された全国社会科教育学会と韓国社会教科教育学会の第1回研究交流会においても,「日韓比較社会科教育史共同研究-科研費「日本と韓国における市民性に関する比較教育史研究」申間報告-」のタイトルで成果の報告を実施した。今年度は,日本と韓国に加えて中国と英国の研究者に対して,本研究の進捗状況の説明を行い,各国の視点から見た日韓両国の市民性教育の現状と経緯に関する聞き取り調査も行った。日本と韓国の社会科教育史研究による共同研究が本研究の主眼ではあるが,研究視点の固定化を回避するためにも,中国と英国の視点を参考にしながら,更に検討の蓄積を行った。最終年度となる次年度には日本と韓国において,中国と英国の研究者も交えた連続シンポジウムを開催する方針も決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,日本と韓国の社会科教育史研究者の共同研究体制によって,両国における市民性が,学校教育の中で過宏にどのように育成されてきたか,そして現在ではどのように形成されようとしているかを,両国のカリキュラムと授業実践を中心に他国の動向も視野に入れながら,比較と歴史の視点から明らかにするとともに,その知見を活用した両国共通の新たな市民性カリキュラムの開発までを目的とするものである。今年度は,ほぼ当初の計画通りに日本と韓国及び中国と英国での3回の研究委員会とワーキング会議及び現地調査を行いながら,日韓両国の社会科における市民性育成の現状と経緯に関する検討を積み重ねることができたことから,現在までの研究の達成度はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究の最終年度にあたることから,9月に韓国において,11月には日本において研究成果の報告と更なる議論を行うための日韓連続シンポジウムの開催を計画している。9月の韓国シンポジウムにおいては,日韓の研究メンバーはもちろんのこと第三国の視点からも研究成果を確認してもらうために中国の研究者にも登壇の依頼を行い内諾を得ている。11月の日本シンポジウムでも同様に英国の研究者に登壇を依頼して,こちらも内諾を得ている。最終年度においては,9月と11月のシンポジウムの準備を進める中で研究成果の整理を行いながら,シンポジウムでの議論を通して更に検討を深めて来年度末に刊行予定の最終成果報告書の作成までも進める予定である。
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