2011 Fiscal Year Annual Research Report
多職種連携による心身障害児・者の客観的視機能評価法の確立と普及
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22330260
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
新井田 孝裕 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30222730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 徹人 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (80230465)
谷口 敬道 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90275785)
靭負 正雄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20113491)
青木 恭太 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (00125808)
小町 祐子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40433619)
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Keywords | 心身障害児・者 / 医療・福祉 / 神経眼科 / 脳・神経 / リハビリテーション / 療育活動 / 近赤外分光法 / 視機能評価法 |
Research Abstract |
1.リハビリテーションセンターに入所している50名の評価対象児・者に対して、作業療法士の協働の下で、視能訓練士、眼科医による他覚的屈折検査と眼位、視力・視反応の定性及び定量検査を複数回実施した。眼位は外斜視を有する者が約80%と高率であり、屈折異常は近視と乱視を有する者が多く、2D以上の乱視が約半数に認められた。定量的視力評価は全症例の60%で可能であったが、残りの40%では視運動性眼振や驚愕刺激による反射性瞬目の誘発など視反応の定性評価のみ可能であった。今後、知能および移動機能の重症度分類(横地分類)と視機能評価の関連性について解析していく予定である。 2.視反応を定量的に捉えるために手持ち式の視運動性眼振誘発装置を作成した。回転速度は電動可変式で、内部に光源を内蔵し、視標を取り付ける外筒部分を白色アクリル樹脂で作成したため、様々な刺激の提示が可能である。今後、症例データを収集し、眼振の誘発を非接触に画像解析で定量可能か検討する。 3.近赤外分光法(NIRS)は非侵襲的な脳機能計測法として知られているが、リハビリテーションの実践課程において、対象児・者の課題や刺激に対する応答性を客観的に評価できることに加え、介入課程の手段の違いや介入効果の的確な判断において有用であることを示した。 4.視覚刺激に対する注意や情動変化を客観的に捉えるため、瞬目頻度や瞳孔径・瞼裂幅の経時変化の画像解析と圧センサーを用いた体動観察の予備実験を行い、臨床応用が可能であるかどうか検証した。 5.視線解析の基礎データとなる斜位症例の眼球運動潜時について報告した。 6.6月24日に国際医療福祉大学にて元白鴎大学教授の田多英興先生をお招きして「重症心身障害児・者の人関連刺激受容を、瞬きを指標にして評価する」と題して招待講演会を主催し、本学および関連施設の多数の教職員に参加いただき活発な質疑応答が交わされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本学は東日本大震災で震度6強の強い揺れに襲われ、建物や一部の計測機器が甚大な被害を受け、建物の修繕は現在も続いております。また、昨年夏は節電や電力使用制限令により、学内では日中時間帯の冷房の使用が禁止され、データ収集を円滑に遂行できる環境ではありませんでした。このため、研究の進捗状況は計画より半年前後遅れております。
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Strategy for Future Research Activity |
能動的反応の得られる軽症例での検討が遅れているが、今年度の申請備品である視線解析装置の導入と、視線解析と瞳孔の研究に精通した連携研究員2名が新たに研究組織に加わったため、研究は十分進展していくと考えている。今後、学習障害児や読字障害児での視線解析や瞳孔動揺の周波数解析を含めて検討する予定である。
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Research Products
(14 results)