2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80201490)
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Keywords | ユニタリ表現 / リー群 / 極小表現 / 無重複表現 / 多重積分 / 分岐則 / シュレディンガーモデル / フーリエ変換 |
Research Abstract |
局所コンパクト群の任意のユニタリ表現は既約ユニタリ表現の直積分に分解できる。さらに、ほぼ代数群の構造を有するリー群の既約ユニタリ表現は単純リー群および可換リー群の既約ユニタリ表現から構成することができる。この単純リー群の既約ユニタリ表現の多くは誘導函手(導来函手を用いるものを含む)によって1次元表現から構成されるが、得られない表現がごく少数存在する。単純リー群の極小表現はこの意味でごく少数の"根源的な"ユニタリ表現である。 本年度はD型の単純リー群の極小表現のシュレディンガーモデルを二次錐上において構成し、"フーリエ変換"に相当するユニタリ反転変換の明示形を与え、その性質を詳細に研究した。この成果をアメリカ数学会のメモワールの一冊として出版した。さらに第1論文ではL^2モデルにおけるKタイプの明示式をベッセル函数を用いて具体的に与えた。極小表現から自然に生じる4階の微分方程式に付随する直交多項式を発見し、その基礎的性質を証明した(第4論文)。 一方、ユニタリ表現の分岐則を調べることは、表現の理論の最も主要な問題の一つであり、新しい表現の構成や分析に強力な手法を与えるのみならず、保型形式の整数論や非可換調和解析の研究にも深く関わっている。第二論文ではA型の最も小さいユニタリ表現に関する分岐則をWeylのoperator calculus,ヒルベルト空間のバーディ空間の理論と関係づけて研究した。
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