2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340026
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 俊行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80201490)
|
Keywords | ユニタリ表現 / リー群 / 極小表現 / 無重複表現 / 幾何的量子化 / 分岐則 / 可視的作用 / フーリエ変換 |
Research Abstract |
単純リー群の極小表現はごく少数の"根源的な"ユニタリ表現である。本年度は不定値直交群の極小表現のシュレディンガーモデルにおける群作用の鍵となるユニタリ反転変換の明示形を与え、その性質を詳細に研究した。別の観点から言えば、この理論は、Weil表現のユニタリ反転変換がフーリエ変換になるという古典的な結果を拡張して、二次錐上にフーリエ変換に相当する内在的な作用素が唯一つあることを発見し、その基礎理論を構築したものである(著書[1])。さらに,古典的なフーリエ変換と新しく発見したユニタリ反転作用素を連続的に結ぶ変形理論を展開した(第2論文)。一方、極小表現から自然に生じる4階の微分方程式に付随する特殊関数や直交多項式を発見し、その基礎となる理論を進展させた(第5,6,10論文)。また、極小表現を非コンパクトな設定での幾何的量子化の立場から(第9論文)、代数解析との接点から(第7論文)論じた。 一方、ユニタリ表現の分岐則を調べることは、表現の理論の最も主要な問題の一つであり、新しい表現の構成や分析に強力な手法を与えるのみならず、保型形式の整数論や非可換調和解析の研究にも深く関わっている。Zuckerman教授60歳記念号で導来函手加群の分岐則の理論を著し(第4論文)、第1論文は一般バーマ加群の離散的分岐則の理論を旗多様体の幾何を用いて展開し、第3論文では複素多様体の可視的作用の理論を用いて無重複表現の伝播定理を証明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的を達成する過程において,"極小表現の大域解析"の副産物として一般化されたVerma加群の離散分岐則の理論(第1論文)や,第2論文のユニタリ反転作用素の変形理論としてLaguerre半群とDunkl operatorの理論を進展させることができた。これらは,交付申請書を執筆した時点では予期できなかった新しい発見に基づく理論の進展である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画以上に研究が進展しており、新しいアイディアも生まれたことを活かすべく、論文の執筆を加速するとともに、共同研究者との接触も多くして、理論のさらなる進展を図りたい。 特に、無限次元表現の分岐則の理論の推進に関しては中長期的な視野に立った基礎研究を進め、極小表現の大域解析に関しては、昨年までの研究で成功した「不定値直交群の極小表現に対するシュレーディンガーモデルの理論」のアイディアをさらに発展させ、Jordan代数の共形変換群というさらに一般化された設定での単純リー群の極小表現に付随する大域解析の研究を加速させる。
|
Research Products
(27 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Finite Multiplicity Theorems2011
Author(s)
Toshiyuki Kobayashi
Organizer
Lie Groups, Lie Algebras and their Representations
Place of Presentation
University of California(アメリカ)(closing lecture)(招待講演)
Year and Date
20111105-20111106
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-