2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 浩典 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90311365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所・高エネルギー天文学研究系, 招聘研究員 (20432354)
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Keywords | X線天文学 / ガンマ線天文学 / 宇宙線 |
Research Abstract |
HESSJ1614-518は、暗黒加速器の中で、もっともガンマ線の明るいもののひとつである。 この天体はガンマ線イメージで2つ目玉になっている。申請者はこれまでの研究で、明るい方のガンマ線ピークにはX線が付随していることを明らかにした。そこで今年度は、暗い方のガンマ線ピークのX線観測をすざく衛星で行った。まだ解析は完了しておらず、途中経過の報告になるが、暗い方のピークにはX線は付随していないらしい。これはガンマ線光度がX線光度に比べて10倍以上大きいことを意味するので、ガンマ線の起源は宇宙線陽子であることを示唆しているようだ。 HESSJ1614-508も、ガンマ線で明るい暗黒加速器の一つである。そばにスピンダウン光度の大きいパルサーPSRJ1617-5055がいるので、パルサー風星雲が起源であると考えられている。そこですざく衛星でこのパルサーのX線観測を行った。現在解析途中であるが、X線では広がったパルサー風星雲はしそうにない。これは暗黒加速器のパルサー風星雲説に一石を投じるものである。 暗黒加速器の正体を明らかにするには、より高いエネルギーのX線で高感度観測を行うことが鍵となる。そのためには、集光系の開発と、高感度検出器の開発の両方が必要である。今年度は、多層膜スーパーミラーを使用した硬X線望遠鏡の開発を行った。生産した反射望遠鏡をSpring-8で評価し、想定通りの性能が出ていることを確認した。
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