2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22340046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 浩典 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90311365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究員 (20432354)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | X線天文学 / ガンマ線天文学 / 宇宙線 |
Research Abstract |
日本のX線天文衛星すざくで、TeVガンマ線未同定天体(暗黒加速器) HESSJ1646-458の観測を行った。この天体は、スーパークラスターWesterlund I、GeVガンマ線パルサーPSRJ1648-4611と一部重なるものの、何が対応天体なのかわかっていない。我々はPSRJ1648-4611の部分をすざく衛星で観測し、このパルサーを取り囲む、空間的に広がったX線放射を発見した。X線スペクトルの調査から、この放射はパルサー風星雲起源であることを示した。従来、PSR1648-4611にはパルサー風星雲の存在が知られておらず、我々は新たなパルサー風星雲を発見したことになる。このパルサー風星雲のX線光度(7.3E32 erg/s)は、PSRJ1646-4611のスピンダウン光度(1E35 erg/s)から予想される数値よりも、約2桁近く明るい。このことは、非常に高い効率で粒子加速が行われていることを示唆する。おそらく、PSRJ1646-4611で加速された粒子がHESSJ1646-458のTeVガンマ線放射にも相当寄与しているだろう。つまり、ある暗黒加速器の正体を明らかにしたことになる。 次に、すざく衛星、米国のChandra衛星、欧米のXMM-Newton衛星のアーカイブデータを利用して、8個の暗黒加速器のX線観測データの解析を行った。その結果、いくつかの暗黒加速器のそばに、空間的に広がった暗いX線天体を発見した。しかし、例えばTeVガンマ線放射とX線放射の位置が一致するなどの、ガンマ線とX線の関連が明確にわかるような天体は見つからなかった。正体の判明しているTeVガンマ線天体には、超新星残骸やパルサー風星雲などのX線対応天体が見つかる事と、対照的である。暗黒加速器は、通常の超新星残骸やパルサー風星雲とは異なることを物語る。今後の更なる観測研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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