2012 Fiscal Year Annual Research Report
強力ミリ波源を用いたパラポジトロニウム崩壊率の直接測定
Project/Area Number |
22340051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 祥仁 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60282505)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / ミリ波 / ポジトロニウム / 超微細構造 / 量子電磁力学 |
Research Abstract |
電子・陽電子束縛系であるポジトロニウムの基底状態には、スピンの状態に応じてオルソポジトロニウムとパラポジトロニウムの二つの状態がある。この二つの状態間には203GHz(0.84meV)のエネルギー準位差があり、超微細構造と呼ばれる。本研究課題の目的は、超微細構造に相当する強力ミリ波を照射して両者の間に直接遷移をおこし、その共鳴曲線の中心値から超微細構造の値を、共鳴幅からパラポジトロニウムの寿命を測定することである。 前年度までに測定セットアップを構築し、世界初のポジトロニウム超微細構造直接遷移を観測することに成功した。この結果は当該年度においてまとめ、Physical Review Lettersに発表した。また、当該年度は、照射ミリ波の周波数を変更して遷移測定を行い、遷移の共鳴曲線を得るための改造に注力した。行った改造は主に以下の二点である。 まず、ミリ波の周波数を可変にできるように、内蔵キャビティ変更可能なジャイロトロンを開発した(FU CW GI)。このジャイロトロンは、周波数可変のみならず、モードコンバーターを内蔵しており、ガウスビームを直接出力できる。これは、ミリ波蓄積キャビティとのカップリングの面で有利である。 また、ミリ波蓄積キャビティに関しては、大パワーのミリ波の蓄積に耐えられるよう、メッシュミラーの材質をクォーツから高抵抗シリコンに変更した。熱伝導の良いシリコンを使用することで、ミラーが冷却可能になりメッシュのダメージを避けられるとともに、ノイズとなっていた可視光の遮光を兼ねることができる。 以上の改造を施した後、共鳴曲線の測定を行った。データの解析はまだ途中であるが、各周波数点で遷移シグナルが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)