2012 Fiscal Year Annual Research Report
室温強磁性半導体を目指した酸化ユーロピウムの基礎研究
Project/Area Number |
22340107
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
木村 真一 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (10252800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 秀俊 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10548960)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強磁性半導体 / 酸化ユーロピウム / 電子構造 / シンクロトロン放射 / 光電子分光 / 逆光電子分光 / 赤外分光 |
Research Abstract |
酸化ユーロピウムEuOは,強磁性転移温度(TC)が約70Kの強磁性半導体である。この物質に,Euを過剰にしたりEuをランタンLaやガドリニウムGdで置換することによって,TCが最大200K程度まで上昇することが我々を含めたいくつかのグループで調べられている。しかしながら,その起源は未だに解明されていないため,世界中で研究が進められているところである。我々は,その起源を, ① 電子ドープによるd-f間接相互作用の増加,② 格子定数の減少による超交換相互作用の増加,③ 局所ひずみによる磁気ポーラロン のどれかが主に効いているものと考え,それらの効果を分離してTCに対する効果を調べ,室温での強磁性半導体の実現を目指している。 これまでのEuO超薄膜試料(TC~40K)の作成の成功とその電子構造の膜厚依存性の観測(22年度),及びカリウムを共蒸着することによる電子ドープとTCの電子ドープ量依存性と電子構造変化の観測(23年度)に引き続き,今年度は局所ひずみと電子ドープを一緒に行う系としてGdをドープした超薄膜の作成を試みた。その結果,多結晶超薄膜の作成には成功したが,単結晶を得るまでには至らなかった。しかしながら,厚膜のGdドープEuOの作成には成功しているという他のグループからの報告はあるため,引き続き,超薄膜の作成を行ない,局所ひずみの影響について調べていく方針である。 一方で,電子非専有状態の情報を引き出すために開発を進めてきた逆光電子分光装置は,さらなる高効率検出化を行うために,発光する真空紫外光を集めるための楕円面鏡の開発を行い,逆光電子分光装置に組み込んだ。また,高分解能化するために,真空紫外分光器と一次元アレー検出器を組み合わせた分光システムを設置し,テストを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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