2013 Fiscal Year Annual Research Report
スラブ沈み込みに伴う日本列島下の温度分布・物質循環と地震学的微細構造の関連性
Project/Area Number |
22340126
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 祥一 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (20222391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳一 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30361067)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 温度構造 / 地殻熱流量 / 熱対流モデル / 西南日本 / 関東地方 / 地震波減衰 / 蛇紋岩 / 脱水 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元箱型熱対流モデルを構築し、日本列島下の温度構造モデリングを行った。その際、これまでこのようなモデリングで使用されたことのなかったHi-netの地殻熱流量データを用いた。これにより、得られた温度構造の空間分解能が著しく向上した。その結果、西南日本では、南北方向に短波長の変動が見出され、紀伊山地や四国山地などの隆起地域では地殻熱流量が大きく、瀬戸内海などの沈降地域ではその値が小さいことを示した。このようなデータを説明するため、プレート境界での摩擦熱と隆起・沈降に伴う削剥・堆積による温度上昇・低下の効果を扱えるプログラムを開発し、従来のモデルに取り込んだ。その結果、上記の短波長の変動は後者の効果によってうまく説明できることを示した。また、上記の地殻熱流量データから関東地方では、低地殻熱流量地域が広がっていることを見出した。この地域には、太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んでおり、このような状況をモデル化するため、従来の1つの海洋プレートが沈み込むモデルを発展させ、2つの海洋プレートを同時に沈み込ませることができるプログラムを開発した。そのモデルを関東地域に適用し、同地域の低地殻熱流量は主として低温のフィリピン海プレートの沈み込みによるものと結論づけた。 また、地震波形の解析では、基盤観測網で得られたデータを用いて、九州地方の三次元P波減衰構造を推定した。その結果、前弧側のマントルウエッジは蛇紋岩化していること、背弧側のマントルウエッジには部分溶融域と解釈できる高減衰域が分布することが明らかになった。ただし、地表に火山の分布しない九州中部(阿蘇から霧島にかけて)下では、深さ40~60kmの減衰は小さいという特徴があり、非火山地域ではモホ面直下までメルトが連続的に上昇してきていないことを示唆している。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|