2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22350019
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
友岡 克彦 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (70207629)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 有機化学 / 不斉合成 / 面不斉 / ヘテロ中員環分子 |
Research Abstract |
本研究では,従来にない面不斉ヘテロ中員環分子に関して「構造―立体化学挙動の相関を」明らかにするとともに,その光学活性体を効率的に調製する手法の開発とそれにより得られる光学活性面不斉ヘテロ中員環分子の応用研究を目的としている.本年度は特に,下記の2項目について検討し,成果を得た. 1.面不斉オルトシクロファンの創製:本研究ではこれまでに, E,Z-ジアリル骨格を有する面不斉9員環分子を研究対象として種々検討を行ってきたが,この分子は熱的に不安定であるという欠点を有していた.そこで今回,新たにアンサ鎖にE-アルケンを有するオルトシクロファンを設計し,その合成と立体化学挙動について検討した.その結果,アンサ鎖にアミド基,もしくはエーテル基を有する[7]オルトシクロファンの合成に成功するとともに,それらが安定な面不斉と熱的安定性を合わせ持つことを明らかにした.さらに,アンサ鎖にヘテロ原子を持たない[7]オルトシクロファンにも室温で単離可能なエナンチオマーが存在することを見出した. 2.光学活性な面不斉ヘテロ中員環分子の調製法の開発:昨年度に引き続き,面不斉ヘテロ中員環分子の触媒的不斉合成法について検討し,環化前駆体の構造と立体選択性の相関,および用いるキラルパラジウム触媒の構造必要要件について多くの知見を得た.また,それら検討の結果として,E,Z-ジアリル骨格を有する9員環分子を極めて高い光学純度で触媒的に不斉合成することに成功した.一方,立体化学的に不安定な面不斉[7]オルトシクロファンに関しては,キラル固定相を用いたカラムによるエナンチオマーの分離と加熱によるラセミ化を組み合わせることで,光学活性体を効率的に調製する新手法を開発した.現在,これら2つの手法について更なる改良を行うべく検討を続けている.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|