2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ充填粒子の形態・強度・界面制御による高分子材の高強度多機能化
Project/Area Number |
22360054
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
冨田 佳宏 福井工業大学, 工学部, 教授 (10031147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 如月 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50311775)
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 准教授 (50294260)
陸 偉 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (20398423)
内田 真 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (90432624)
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Keywords | 高分子材 / 粒子強化複合材 / 多機能化 / 界面制御 / 有限要素法 / 均質化法 / 分子鎖網目理論 / 分子動力学 |
Research Abstract |
充填高分子材の強度評価ならびに巨視的に所要の高強度・多機能性を有する充填高分子材の創生を目指して以下の研究成果を得た. 1. マイクロ充填粒子の強度・形態,分布状態ならびに界面特性と充填高分子材のマクロスケールの変形挙動の関係を評価する新たなモデルを構築するために,母相の高分子材が,温度,ひずみ速度,変形履歴に依存して大きく変化する力学特性を首尾よく表現する構成式を,申請者らの分子鎖のからみ点の変化を許容する非アフィン8鎖モデルを一般化することによって構築した. 2. 充填粒子と高分子材との界面の挙動の実験による観察を精査して分子動力学的手法を用いて界面モデルを構築した.新たに定式化した構成式と界面モデルならびに均質化法を用いて充填高分子材の代表体積要素シミュレーションモデルを構築し,マイクロスケールの充填粒子の強度・形態,分布状態ならびに界面特性と充填高分子材のマクロスケールの変形応答を直接関連付けることが可能なモデルを構築した. 3. 高分子鎖の周りの高分子鎖との相互作用によって発現するひずみ速度依存性を表現可能なモデルへの一般化を行い,対応する構成式を定式化・同定した.構成式同定に用いた条件とは異なる条件で変形させた高分子材料の変形応答を予知し,その妥当性を確認した. 4. 定式化した非晶性高分子材の構成式と,鎖方向に非延伸特性を有する結晶モデルを用いて部分結晶高分子材の構成式を構築し,母材が部分結晶性高分子材あるいは変形中結晶化の発生をも扱うことが出来るモデルへ一般化した. 5. 粒子表面の存在による高分子鎖の切断,表面の性状と界面の厚さ関係,粒子表面からの距離に依存した高分子鎖の分布特性などを解析することによって,充填粒子と高分子材との相互作用を評価可能な代表堆積要素を形成し,均質化法を適用することによって,マルチスケールモデルを構築した.
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