2012 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質ー結晶質転移を利用したDyレス高保磁力磁石の開発
Project/Area Number |
22360128
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福永 博俊 長崎大学, 工学研究科, 教授 (10136533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正基 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (20274623)
柳井 武志 長崎大学, 工学研究科, 助教 (30404239)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁性材料 / 保磁力 / Nd-Fe-B / 結晶化 / 表面拡散 / マイクロマグネティクス |
Research Abstract |
1) DyF3微粉を用いたDyコーティングと非晶質からの結晶化を利用して,等方性Nd-Fe-B磁粉の保磁力改善した。まず,結晶化条件を最適化した後,コーティング量を変化させたところ,DyF3コーティング量の増加と共に保磁力が増加し,コーティング量 1.7 wt.% で最大の保磁力改善効果約 5% が得られた。さらにコーティング量を増加させると保磁力改善効果が失われ,6.7wt.% コーティングの際に約 6% の保磁力減少となった。コーティング量が多い試料のX線回析パターンはNdOFの存在を示唆しており、Ndのフッ化物の存在が、Nd2Fe14B存在量を減じたことにより、保磁力の現象を招いた考えられる。 Dyの直接コーティング,Nd-Cuの直接コーティングでは,残留磁化を大きく減少させることなく25~30 % 程度の保磁力改善が可能であったことと比較すると,DyF3コーティングによる等方性Nd-Fe-B磁粉の保磁力改善効果は前述の方法よりも顕著ではない。 2) Nd-Cu/非晶質Nd-Fe-BあるいはDyF/非晶質Nd-Fe-B混合体を塑性変形させることにより,非晶質ー結晶化転移を利用した粒界拡散技術と塑性変形による異方化技術を融合させ異方性バルク磁石を作製を試みたが,高保磁力・高残留磁化を併せ合わせ持つ磁石の作製には至らなかった。 3) マイクロマグネティクス理論を用いた計算機シミュレーションの結果は,Nd-Fe-B結晶表面での磁化反転核の発生が保磁力を著しく下げること,結晶表面の磁気異方性回復が反転核の発生を抑制することを示唆している。磁粉表面から粒界およびNd2Fe14B結晶表面に拡散したDyあるいはNdが,Nd2Fe14B結晶表面の磁気異方性を回復し,保磁力を改善したものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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