2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート表層部の脆弱層の形成とその性状の定量化に関する研究
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22360231
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
月永 洋一 八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60124898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿波 稔 八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10295959)
迫井 裕樹 八戸工業大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30453294)
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Keywords | 建築構造・材料 / コンクリート / 表層部 / 脆弱層 / 部材断面厚 / 強度 / 耐久性 / 劣化 |
Research Abstract |
コンクリートの水セメント比を平成22年度は55%としたが,平成23年度は65%とし,部材断面厚さを変えて作製した試験体を対象として,各種物性値および劣化進行度の評価・分析を行い,以下の知見を得た。 1.各種物性値の評価・分析 (1)ブリーディング量は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示し,部材端部近傍においてその傾向は顕著となるが、水セメント比の差による大きな違いはみられなかった。 (2)細孔容積は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示し、平均細孔径は小さくなる傾向を示した。 (3)反発度は、部材断面厚が増すと減少する傾向を示した。 (4)音速およびプルオフ強度は、部材断面厚による顕著な差はみられなかった。 (5)透気性は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示した。 2.劣化進行度の評価・分析 (1)中性化深さおよび塩化物イオン浸透深さは、部材断面厚が増すと増加する傾向を示したが、スケーリング量は顕著な差がみられなかった。 (2)コンクリート表層部には脆弱層が形成され、その厚さは部材断面厚によって異なるものと考えられ,コンクリートの耐久性は,部材断面厚によって差異を生じることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は多くの実験により進められるが,余裕をもった実験計画の作成と実施により,研究は当初の計画どおり,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
コンクリート表層部の脆弱層の形成とその性状の定量化について、これまで水セメント比を55%および65%として実験を行ってきた。今後は水セメント比を45%とし、さらに大型試験体を作製して実験を行う予定であり、これによりコンクリートの品質を代表する水セメント比を指標としたときの脆弱層の形成や性状の違い、および実構造物として考えたときの脆弱層の形成や性状の把握が可能と考えられる。これまでの実験においては実験や測定における作業精度が結果に大きく影響することから、今後は作業精度を高めて研究を遂行する。
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