2012 Fiscal Year Annual Research Report
内在的ナノスケール不均質性に支配される金属ガラス力学特性に関する研究
Project/Area Number |
22360263
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 秀実 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80323096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 武 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10431602)
市坪 哲 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40324826)
阿部 英司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70354222)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 金属物性 / ガラス遷移 / 緩和 / クリープ回復 |
Research Abstract |
アルファ緩和(Tg)および、sub-Tg緩和(遅いベータおよび速いベータ)等の動的緩和を示す貯蔵弾性率および損失弾性率の温度・周波数依存合成曲線から、コンプライアンスの温度・周波数依存性を導出したところ、これら3つの緩和分散に対応した3か所において傾きが変化していた。コンプライアンスをクリープ曲線を実測して導出することにより、これらの挙動が実際に生じていることを確認することに成功した。 また、応力熱処理試料の昇温クリープ回復挙動が、計算によって導出した動的損失コンプライアンスに、構造的不均質性(活性化エネルギーの分布)に基づく局所的クリープ変形の概念を導入することによって、定性・定量的に再現・説明できることを明らかにした。これより、遅いベータ緩和が大きく不均質性が顕著なPd基金属ガラスでは、応力熱処理によって大きな内部残留ひずみ(=回復ひずみ)が導入されるが、均質性の高いZr基金属ガラスでは、比較上、回復ひずみが小さいことが分かった。 また、大きく明瞭に分離した遅いベータ緩和を呈するPd基金属ガラスにArを照射した場合、ナノスケールの領域でこのArが球状に侵入凍結されるが、明瞭な遅いベータ緩和を呈さないZr基金属ガラスに同様のAr照射を行っても、Arが侵入凍結されないことが分かった。これは、Pd基金属ガラスには、結合の弱い領域が多く存在し、この部分においてArが侵入凍結できるが、Zr基はこの逆に結合の弱い領域が少ないために、Arが侵入凍結しなかったことを示唆しており、遅いベータ緩和が弱結合領域に起因して発生していることを裏付ける証拠であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Enhance the thermal stability and glass forming ability of Al-based metallic glass by Ca minor-alloying2012
Author(s)
Wang, JQ; Liu, YH; Imhoff, S; Chen, N; Louzguine-Luzgin, DV; Takeuchi, A; Chen, MW; Kato, H; Perepezko, JH; Inoue, A
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Journal Title
INTERMETALLICS
Volume: 29
Pages: 35-40
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A partial structure factor investigation of the bulk metallic glass Zr63Ni25Al12 as studied by using a combination of anomalous X-ray scattering and reverse Monte Carlo modeling2012
Author(s)
Hosokawa, S; Berar, JF; Boudet, N; Kohara, S; Pilgrim, WC; Joester, M; Stellhorn, J; Zeidler, A; Maruyama, K; Nasu, T; Zhang, W; Kato, H
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Journal Title
INTERNATIONAL JOURNAL OF MATERIALS RESEARCH
Volume: 103
Pages: 1108-1112
DOI
Peer Reviewed
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