2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性リン酸カルシウム系コーティング膜を利用した骨適合界面の創製
Project/Area Number |
22360299
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20198394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40507901)
川村 仁 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00110651)
春日 敏宏 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30233729)
|
Keywords | チタン / 非晶質リン酸カルシウム / 生体吸収性 / 表面改質 / 骨適合性 / リン酸八カルシウム / ドライプロセス / ウェットプロセス |
Research Abstract |
(1)ドライプロセスによる生体吸収性コーティング膜の作製 (1-a)工業用純チタン製インプラント(人工歯根)に、これまで当研究室が確立してきたβ型リン酸三カルシウムターゲットを利用したRFマグネトロンスパッタリングにより厚さ0.5μmの非晶質リン酸カルシウムコーティング膜を作製した。スクリュー型インプラント表面上に均一なコーティング膜が観察された。 (1-b)骨形成能に優れる60CaO-30P_2O_5-7Na_2O-3TiO_2(mol%,PIG3)にSiを3mass%または13mass%添加したガラス系ターゲットを利用したRFマグネトロンスパッタリングによりNa,Ti,Siを含有する非晶質リン酸カルシウム膜をTi-6Al-4V合金基板(ブラスト処理)表面に作製することができた。膜組成はターゲット組成とほとんど一致していた。 (2)ドライプロセスにより作製された生体吸収性コーティング膜の生体内外評価 (1-a)で作製したチタンインプラント(80本)をニュージーランド白色家兎の大腿骨および頸骨へ埋入した。インプラントの引き抜きトルク値は、コーティング材においてコントロール材(コーティング無し材)より有意に高いことが明らかとなった。コーティング膜は2週間後には既に生体吸収されており、チタンインプラントと骨とが直接密着していた。 (3)ウェットプロセスによる生体吸収性膜の作製 二倍ハンクス溶液のpHを8.0から6~7程度に変化させる二段階ウェットプロセスによりチタン表面に均一なプレート状リン酸八カルシウム(Ca_8H_2(PO_4)_6・5H_2O)コーティング膜を作製することができた。テタン基板の表面粗さとMgイオンの有無がリン酸八カルシウム膜の性状に影響することがわかった。リン酸八カルシウムは生体内において吸収されると共に、生体アパタイトの前駆体であることが知られている。
|
Research Products
(21 results)