2011 Fiscal Year Annual Research Report
水素ガス製造技術の高度展開を図るメタルハニカム型構造体触媒反応場の創製
Project/Area Number |
22360330
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立元 雄治 静岡大学, 工学部, 准教授 (00324335)
河野 芳海 静岡大学, 工学部, 助教 (50334959)
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Keywords | 触媒反応システム / 新エネルギー / ハニカム型触媒 / 水素製造システム / 水蒸気改質 / 無電解めっき技術 / 触媒燃焼 / 燃料電池 |
Research Abstract |
本研究は,メタルハニカムを担体とする構造体触媒で水素製造用のメタン改質触媒や後段のCO除去触媒を創製し,この触媒の高い伝熱性を利用して外壁面より触媒燃焼で熱エネルギーを供給するヒートコンバインド型触媒反応システムとすることで,プロセス強化(PI)技術を組み込んだ新世代型水素製造システムの構築と,その工学的知見の集積を目的としている。昨年度には,メタン改質反応やCO除去反応,触媒燃焼反応用のハニカム型構造体触媒の調製とその性能評価を完了している。また,反応システムの構築も終了している。そこで本年度は,構築した反応システムの改質特性や伝熱特性を中心に研究を実施した。加えて,熱力学的観点からの熱エネルギーの利用特性や効率性を評価した。成果を以下にまとめる。 1.ヒートコンバインド型触媒反応システムは,改質場(吸熱)と触媒燃焼場(発熱)間の伝熱速度とそれぞれの反応速度の関係がシステム特性に大きく影響し,構築した触媒系ではNi/Al_2O_3系改質触媒とPd/Al_2O_3系燃焼触媒の組み合わせが最も適していた。また,改質側の反応条件や燃焼側の反応条件の変化がシステム特性に及ぼす影響についても精査した。 2.燃焼側の原料ガス種の選定もシステム特性に大きく影響を及ぼしており,燃焼速度がマイルドなメタン種が最も適していた。その理由として,燃焼場側からの熱エネルギーの供給が局所的な分布とならず改質場全体が伝導伝熱によって均一的に加熱されるためであることを考察した。 3.反応システムの熱エネルギー利用の効率性について,全体のエンタルピー(熱力学第一法則)とエクセルギー(熱力学第二法則)による熱力学的評価から,燃焼反応との組み合わせは工業的に実施されている電気炉や火炎バーナーなどの外部加熱方式に比べ,有効エネルギー利用率が大きいことを明確にした。特に,高い温度領域においてその有効性が顕著となることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ハニカム構造体型の改質触媒や燃焼触媒の創製とその性能評価がかなり順調に進み,システム特性の評価が予定したスケジュールより早い期間から実施できた。また,特性評価法としてのエクセルギーとエンタルピーの導入は,化学反応性と伝熱特性に関する評価に加え,システム特性に関するより貴重な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたるH24年度は,(1)構築した反応システムの理論的解析を行なうための数値シミュレーターを完成(プログラムの骨子はH23年度に完成)し,それを駆使した熱エネルギー利用効率の理論的評価や,(2)CO除去場と燃焼場を組み合わせてのシステム特性の評価を実験面と理論面から実施する。そして,(3)実際にヒートコンバインド型触媒反応システム構築にむけた提言を行なう予定である。
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Research Products
(8 results)