2011 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力で明らかにされる超流動ヘリウムの特異な膜沸騰の実相と伝熱促進効果の解明
Project/Area Number |
22360361
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
木村 誠宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 准教授 (10249899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 卓 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教 (30578109)
間宮 幹人 独立行政法人産業技術研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究員 (10358062)
岡村 崇弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (90415042)
野澤 正和 国立高等専門学校機構秋田工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60447183)
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Keywords | 微小重力 / 超流動ヘリウム / 沸騰熱伝導 / 臨界熱流束 / 気泡の生成・消滅 / 蒸気膜厚さ / 膜沸騰 / 界面熱抵抗 |
Research Abstract |
平成23年度は、平成22年度に引き続いて自由落下用小型軽量クライオスタットを用いた飽和超流動ヘリウムの沸騰実験と実験結果の解析を行った。また、解析の要となる可視化部の解像度の性能向上を目指した改良を並行して行い、精度の向上を計った。本研究計画の要である自由落下塔施設は、昨年度と同じ独立行政法人産業技術総合研究所所有の設備を使用した。 産総研北海道センターの落下塔を使用した自由落下実験から、微小重力中のHeIIの沸騰構造の解析に必要なデータを取得した。自由落下の回数は90回に及び昨年度実績の80回と合わせて解析用データの蓄積を行った。微小重力下での気泡の消滅画像の解析から、HeII中に発生した気泡の発達過程並びに消滅時間から液相と気相間の熱抵抗に関する解析を行った。 さらにヒータ加熱時間をパラメータとした自由落下実験の結果から、微少重力場でのHeII中の臨界熱流束を同定すると同時に臨界熱流束がHeIIの飽和蒸気圧に実験の精度の範囲で依存しないことを確認した。 上記の実験予定とは別に平成23年6月に米国で開催される低温会議(CEC/ICEC2011)に出席し、これまでに得られた成果の報告と研究遂行に必要な情報収集を行った。 さらに、平成24年3月に研究分担者の参加による研究会を開催し、これまでに実験結果の解析並びにHeII沸騰の計算コードの開発状況について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験に使用している自由落下用小型軽量クライオスタット及び付属設備について故障等の障害の発生も無く、解析に使用する実験データの蓄積が順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度についても落下実験を継続し、解析用データの蓄積を計る。さらに国外の研究者とも研究に関する情報交換を積極的に行い、研究の推進を図る。
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