2011 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像および地理情報を用いた世界鋼材ストック量・需要量の解析
Project/Area Number |
22360384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 泰也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50358032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 寛樹 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90304188)
藤本 郷史 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30467766)
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Keywords | 再資源化 / マテリアルストック勘定 |
Research Abstract |
本研究では、素材の中でも消費量が最も多く、社会中でのストックが最大である土木および建築鋼材を対象に、ストック量を世界大で把握することを目的とする。既存のマテリアルフロー解析の研究においては、データ利用可能性の制約により推計できない地域がある点を克服するために、全世界をカバーする衛星画像や地理情報を活用しストック量の解析を行う。 平成23年度では、データの利用可能性が比較的豊富な、米国、中国、台湾、韓国などに関して、建築および土木での鋼材ストック量の推計を行った。昨年度に引き続き、米国海洋気象庁(NOAA)と共同研究を行い、最新の輝度調整(Radiance Calibrated)夜間光衛星画像を用いると共に、汎用的な地理情報であるGoogle Earthを用い、東京および世界の主要都市のメッシュ(1km×1km)ごとの建築物の容量を解析し、鋼材ストック量を推計した。そして、各国各域の土地被覆状況、夜間光強度および鋼材ストック量の相関を解析し、統計データの得られない地域における土木および建築鋼材ストック量を推計した。 また、地震の頻度や建築技術の普及率、法制度の整備状況などによって、地域ごと、建築年代ごとに鋼材のストック量が異なることが予想される。(地震頻度が高いほど鉄鋼使用量が多いと予想される。)そこで、各国の建築基準や指針などを参考に、述べ床あたりの鉄筋量および鉄骨量の地域性を解析した。さらには、衛星データによる建築物の鋼材ストック量の推計の精度向上を目的として、地震頻度、規模、被害額、人口密度などの統計データと述べ床あたり鉄筋および鉄骨量との相関解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
米国NOAAとの共同研究の実施により、最新の輝度調整(Radiance Calibrated)夜間光衛星画像を入手し、夜間光強度と土木・建築鋼材ストック量との相関を解析する等、おおむね順調に進展している。一方、地上と地下の鋼材ストック量の分離に関する推計は、データがあまり得られないことにより著しい進捗が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように、地上と地下の鋼材ストック量の分離に関する推計は、データがあまり得られないことにより著しい進捗が得られていない。汎用的な地理情報であるGoogle Earthを用い、東京および世界の主要都市のメッシュ(1km×1km)ごとの建築物の容量を解析し、鋼材ストック量を推計した結果では、地上部の建築物鋼材ストックが、統計データを用いた推計の総量より大きくなる結果が出ている。その解析方法を精緻化することや、他の地理情報を活用することで、地上部の建築物鋼材ストック量の推計を正確に求め、地下部の推計を行うように努める。
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