2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ対向壁における複合イオン照射下トリチウムリサイクリング定量評価と能動制御
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22360389
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大矢 恭久 静岡大学, 理学部, 准教授 (80334291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦川 直子 核融合科学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (00353441)
奥野 健二 静岡大学, 理学部, 教授 (80293596)
宮本 光貴 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (80379693)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トリチウム / プラズマ壁相互作用 / 複合イオン照射 / 照射損傷 / リサイクリング / ヘリウム / タングステン / 炭素 |
Research Abstract |
本年度は炭素イオン照射したタングステン(W)への水素イオン照射下における放出ガス種測定を行い、高配向性グラファイト(HOPG)および炭化タングステン(WC)からの放出ガス種との比較から、スパッタリングによる放出ガス種の炭素化学状態依存性を明らかにした。その結果、HOPGやWCにおいて、照射した水素は主にCH4として放出されるのに対し、炭素照射試料からは主にCH3およびCH2が放出した。過去の研究より、HOPGやWCに重水素を照射すると照射により形成した炭素のダングリングボンドと重水素との非熱平衡過程を経た反応や、炭素に隣接した原子空孔中に滞留した重水素との熱平衡過程を経た反応により、C-D結合を形成することが明らかになっている。一方で、炭素照射Wへの重水素照射では、ほとんどC-D 結合を形成しなかった。これはW中では炭素がダングリングボンドを形成しづらく、また、WはHOPGに比べ重水素イオンの反射率が高いとともに重水素の溶解度が低いためと考えられる。このため、水素照射下においてHOPG やWC では炭素一個に対する水素の捕捉量が多くCH4として放出するのに対し炭素照射タングステンにおいてはCH3やCH2形で放出がすることが示された。 さらに結晶方位依存性について明らかにするために単結晶モリブデンにヘリウムイオン照射を行い、表面損傷の程度および試料内のヘリウム滞留挙動に顕著な結晶方位依存性が見られた。複合的な照射環境下においては,結晶方位の制御が水素滞留挙動の制御にも有効であると考えられる。ヘリウムイオン照射下におけるWの微細組織発達過程について、その場観察の手法を用いて系統的に調べた。損傷の密度,サイズを照射量と温度の関数として整理した。特に,1473K程度の高温照射では,近年問題となっているナノ構造の形成が観察され,その形成条件に関する知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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