2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラナリアの有性化を誘導するD体トリプトファンの作用機構の解明
Project/Area Number |
22370026
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 一也 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (50360110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00211574)
田中 裕之 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10293820)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | D体アミノ酸 / トリプトファン / 配偶子形成 / 生殖様式 / プラナリア |
Research Abstract |
私達は扁形動物プラナリアの無性個体に有性個体を給餌するという方法で有性化することができる。このことは有性個体に、無性個体に雌雄同体性の生殖器官を誘導する有性化因子が含まれていることを意味している。本研究は有性化因子(卵巣誘導因子)として同定したD-Trpの作用機構の解明である。有性個体にD-Trpは重量比でL-Trpの約0.3%-3.0%しか含まれていないが、D-TrpはL-Trpの約2000倍の卵巣誘導活性を示す。無性個体と有性個体でTrp量を比較したところ、重量比で有性個体では無性個体の約26倍多くTrpが含まれており、そのほとんどが生殖器官である卵黄腺に存在していることがわかった。定量PCR解析により、卵黄腺ではD-Trpの局在を制御する分解酵素DAOがほとんど発現していないことがわかった。つまり、卵黄腺ではDAO によるD-Trpの分解が免れている状態であることが示唆された。一方、L-Trpからセロトニンを合成する酵素TPHが卵黄腺で高発現していることがわかった。この結果を受けて、セロトニンを無性個体に給餌したところTrpの場合と同じく卵巣が誘導された。哺乳類で報告されているD-Trpの受容体GPR109bのホモログ遺伝子を探索し得られたものが、卵巣付近の神経組織で強く発現するセロトニン受容体候補遺伝子Dr-5HTR-1であることを昨年度報告している。今後、電気生理学的手法で融合タンパクDr-5HTR-1がD-Trpだけでなくセロトニンの受容体として機能しているのかを証明する。D-Trp以外の有性化因子の単離に関しては、有性個体の有機溶媒抽出物に由来するD-Trpを含む完全有性化活性を示す画分に含まれる220nmの吸収波長で検出される4ピークに対して質量分析を現在行なっている。構造が決定後、D-Trpとともに無性個体に給餌して完全有性化が起こるかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)