2010 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂期染色体ブーケ形成とその生物学的機能の解析
Project/Area Number |
22370074
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
近重 裕次 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究センターバイオICTグループ, 主任研究員 (60359081)
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Keywords | Schizosaccharomyces pombe / 減数分裂 / 染色体 / テロメア / スピンドル / 染色体ブーケ |
Research Abstract |
1, 染色体ブーケ(以下ブーケと略気)形成とスピンドル形成の相関を明らかにするために、いくつかの関連変異体の減数分裂過程におけるSPB(Spindle Pole Body,菌類における中心体相当器官)、スピンドルの動態を蛍光顕顕微鏡を用いて連続的に観察した。この内、ブーケ形成因子bqt2とホーステール核運動に関わることが知られているhrs1遺伝子との2重破壊株では、ブーケ形成は、欠損しているものの、bqt2単独破壊株でみられるスピンドル形成異常が、正常に回復することを見出した。これは、bqt2単独破壊株で見られるスピンドル形成異常が、hrs1破壊によって、ホーステール核運動が軽減したために抑圧されたものと考えられる。 2, ブーケ形成、および、その後の減数分裂進行に関わる因子を探索する目的で、既知のブーケ変異体が示す2倍体の胞子を産生するという形質を指標に分裂酵母株の突然変異体のスクリーニングを行った。その結果、ブーケ形成に欠損を示すもの1株が得られた。この変異体の原因遺伝子は、既知のブーケ形成因子の一つであるkms1遺伝子であった。これ以外に、今回のスクリーニングでは、ブーケ形成は、正常だが、その後の減数分裂に欠損を示すもの3株を分離した。これらは、いずれも、本来2回連続して起こるべき減数核分裂が、なんらかの異常により、1回しか生じずに、結果として、2倍体の胞子を2個つくるという表現型を示していた。これらの変異体は、減数分裂における重要な機構論的課題の一つである「連続する核分裂の制御」について新たな知見をもたらすことが期待される。これら変異株のゲノム配列を決定し原因遺伝子の特定をすすめている。
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Research Products
(5 results)