2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイコンの雄性不稔・稔性回復システムの分子機構とその多様性形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22380008
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
寺地 徹 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90202192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 博 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (10210345)
黒坂 光 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90186536)
肥塚 信也 玉川大学, 農学部, 准教授 (30433866)
中村 崇裕 九州大学, 農学研究科, 特任准教授 (10464398)
三宅 恵子 岐阜大学, 男女共同参画推進室, 特任准教授 (40404058)
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Keywords | ダイコン / 雄性不稔 / 稔性回復遺伝子 / PPR / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本研究は、ダイコンの雄性不稔と稔性回復の分子機構を最新の分子生物学的方法で明らかにするとともに、ミトコンドリアの雄性不稔遺伝子と核の稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)の多様性が産み出される原因をDNAの塩基配列レベルで明らかにすることを目的とする。そのため本年度は以下の1.~5.の実験・調査を行い、所期の成果を得た。1.オグラ型雄性不稔に対するRf遺伝子の1つであるorf687遺伝子の様々なアリルから生じる変異体タンパク質と、雄性不稔の原因遺伝子であるミトコンドリアorf138/orf125遺伝子のmRNAとの結合をゲルシフトアッセイで調べた。その結果、ORF687タンパク質の結合がmRNAの2次構造形成を促進し、翻訳阻害が生じることが示唆された。またORF687タンパク質は遺伝学的に推定される機能(Rf、rf)にかかわらず、一定の強度でRNAと結合する能力を有することがわかった。2.ダイコン野生種であるR.raphanistrumからorf687ホモログを単離し、オグラ型細胞質を持つ雄性不稔ナタネに導入して、この遺伝子の稔性回復機能を検討した。その結果、この遺伝子がRfとして機能していることが証明された。3.orf687を持たないロシアのクロダイコンからRf遺伝子の候補となり得る新規PPR遺伝子を単離し構造を明らかにした。4.orf687とは異なる新規Rf遺伝子(Rft)に連鎖するSTSマーカーを作製し、ハマダイコンを花粉親として育成した190個体の交配集団を用いてRftのラフマッピングを行った。5.山口、福岡、山形の各県に自生する野生のハマダイコンの現地調査を行い、合計23個体の雄性不稔個体を採集した(これらの個体がオグラ型細胞質を持つかどうかは現在調査中である)。
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Research Products
(8 results)