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2011 Fiscal Year Annual Research Report

カキの甘渋性決定遺伝子の単離とその機能解析によるタンニン蓄積制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22380023
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

米森 敬三  京都大学, 農学研究科, 教授 (10111949)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 明彦  果樹研究所, ブドウ・カキ研究チーム, 上席研究員 (30355440)
山根 久代  京都大学, 農学研究科, 講師 (80335306)
Keywords園芸学 / ゲノム / 遺伝子 / 植物 / プロアントシアニジン / タンニン
Research Abstract

昨年度、六倍体であるカキ(D.kaki)の近縁二倍体種であるマメガキ(D.lotus)を用いて作製したBACライブラリーを用い、日本のカキの甘渋性を決定するAST遺伝子の遺伝子座領域を同定するために構築していたフォスミドクローンによるD.lotusコンティグに関して、BACライブラリーから単離したクローンをこれまでのコンティグに加えることで、かなりこのコンティグを延長することができた。しかしながら、AST遺伝子座領域をそのコンティグ内で絞り込むため、この延長したD.lotusコンティグ内のシークエンスを用いてプライマーを作製し、甘渋性が分離したカキ育種集団約300個体での、このプライマー領域とカキの甘渋性形質の組換えを調査することで、D.lotusコンティグ内のAST遺伝子座領域をさらに絞り込む予定であったが、ファオスミドクローンとBACクローンが混同したコンティグでは、AST遺伝子座の同定とその遺伝子単離が困難である可能性が明らかとなった。このため、BACクローンのみによるAST遺伝子領域を含むことが期待されるコンティグを現在、構築中である。なお、このAST遺伝子の発現を制御する要因を検討したところ、温度および植物ホルモンであるABAがその発現に影響し、転写因子DkMybの発現調節を介してタンニンの蓄積をコントロールしている可能性が示された。
一方、中国の完全甘ガキ形質発現に関与するCPCNA遺伝子の単離を目的とし、これまでに見出した中国の完全甘ガキ'羅田甜柿'の甘渋性を決定する遺伝子(CPCNA遺伝子)に強く連鎖するAFLPマーカー領域をプローブとして、いくつかのフォスミドおよびBACクローンをマメガキのゲノミックライブラリーから単離した。今後、これらクローンのシークエンス解析を実施し、'羅田甜柿'交雑個体での甘渋性との連鎖解析を実施するとともに、CPCNA遺伝子の単離の可能性を検討していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

日本のカキの甘渋性を決足する遺伝子SAT遺伝子)の同定に関しては、マメガキから構築したフォスミドおよびBACライブラリーから単離したクローンのシークエンスがカキと高い相同性を持つことが確認され、マメガキを利用したカキの遺伝子単離が可能であることが明らかとなっており、現在、それらのライブラリーから順調にコンティグが延長されている。また、中国の完全甘ガキの発現を決定する遺伝子(CPCNA遺伝子)に関する情報も順調に得られており、この遺伝子単離にもマメガキのゲノムライブラリーが有効であることが本年度確認できたことは、予想以上の成果である。

Strategy for Future Research Activity

カキの甘渋性を制御する遺伝子に関して、日本の完全甘ガキ形質は劣性形質であるのに対し、'羅田甜柿'タイプの完全甘ガキ形質は優性形質である。これらの異なる遺伝子が、甘ガキという同じ形質を発現させている。この異なる機構をそれぞれ解明することが本実験の最大の目的であり、このためにそれぞれの遺伝子単離を目指している。これまでこの目的のために実験を重ねてきたが、当初予想していたように、六倍体のカキから目的遺伝子を単離することは容易ではなく、特に中国のカキの甘渋性決定遺伝子(CPCNA遺伝子)に関してはこれまで得られている情報も限られている。今後は、少なくとも日本のカキの甘渋性を決定する遺伝子(AST遺伝子)を將来確実に単離できるコンティグの構築とその遺伝子領域の確定を目指したい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Fine genotyping of a highly polymorphic ASTRINGENCY-liaked locus reveals variable hexasomic inheritance in persimmon (Diospyros kaki Thunb.) cultivars2012

    • Author(s)
      Akagi, T., R.Tao, T.Tsujimoto, A.Kono, K.Yonemori
    • Journal Title

      Tree Genetics & Genomes

      Volume: 8 Pages: 195-204

    • DOI

      DOI10.1007/s11295-011-0432-0

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Seasonal abscisic acid signal and a basic leucine zipper transcription factor, DkbZIP5, regulate proanthocyanidin biosynthesis in persimmon fruit2012

    • Author(s)
      Akagi, T., A.Katayama-Ikegami, S.Kobayashi, A.Sato, A.Kono, K.Yonemori
    • Journal Title

      Plant Physiology

      Volume: 158 Pages: 1089-1102

    • DOI

      DOI10.1104/pp.111.191205

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] カキの甘渋性制御遺伝子(AST)のマッピング2011

    • Author(s)
      辻本誠幸,赤木剛士,河野淳,三谷宣仁,佐藤明彦,米森敬三
    • Organizer
      園芸学会平成23年度春季大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学農学部
    • Year and Date
      20110000
  • [Presentation] カキの甘渋性識別SCARマーカーを利用した完全甘ガキの選抜2011

    • Author(s)
      三谷宣仁,河野淳,山田目彦,神崎真哉,佐藤明彦,小林省蔵,伴雄介,上野俊人,白石美樹夫,赤木剛士,辻本誠幸,米森敬三
    • Organizer
      園芸学会平成23年度春季大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学農学部
    • Year and Date
      20110000
  • [Presentation] カキ果実におけるABAシグナルを介したプロアントシアニジン蓄積制御の分子機構2011

    • Author(s)
      赤木剛士、辻本誠幸、米森敬三
    • Organizer
      園芸学会平成23年度春季大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学農学部
    • Year and Date
      2011-03-20

URL: 

Published: 2013-06-26  

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