2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22380084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 千尋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60263133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 伸博 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00165151)
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Keywords | きのこ / 菌根 / 半数体 / ホンシメジ / ハタケシメジ / 胞子発芽 / 酪酸 |
Research Abstract |
昨年度予定していた,半数体分離株作出実験が培養機器故障で遅延したため,本繰り越し期間を用いて再度実験を行った。さらに,外生菌根菌ホンシメジの近縁種であり非菌根性と考えられているハタケシメジも供試し,半数体分離株作製を行った。ハタケシメジ(Lyophyllum decastes)は,外生菌根形成可能との報告もあるので,アカマツ実生を用い、菌根形成能の有無について調べた。その結果,本実験に供試したハタケシメジは菌根形成せず,腐生性の強い系統であると思われた。さらに,rDNA ITS配列を明らかにし,データベースデータと比較し分子系統解析を行った結果,本邦でLyophyllum decastesと認識されているグループに分類可能で,ホンシメジLyophyllum shimejiの極近縁種であることを確認した。ハタケシメジの2系統について得られた子実体から単胞子分離を試みた。 発芽培地としては1/5GY寒天培地を用い,胞子落下法で分散後,発芽胞子をマニュプレーションして分離しようとした。しかしながら,2系統とも胞子発芽率はきわめて低く,単胞子分離株は得られなかった。そこで,ホンシメジの担子胞子発芽に有効な酪酸を培地に添加したところ,発芽率は10%ほどに上昇した。このようにして得られたハタケシメジ半数体分離株,ならびにホンシメジ半数体株をそれぞれ,対峙培養し交配型の決定を行いコンパチブルな複数菌株組み合わせを標準菌株候補として選抜した。また,外生菌根菌オオキツネタケ(Laccaria bicolor sens Jpn Auct) についても,子実体組織分離株の保存菌株の中にクランプコネクション消失株を見いだした。本菌株については,核行動を観察し,本菌の半数体分離株として利用可能か調査している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の培養機器故障で,実験計画が遅延したが,素早い対応ならびに研究協力者等の尽力により,目的としていた半数体分離株の作出は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた半数体分離株を用い,重相体との間で形質転換効率,菌根形成能等に差異が認められるか否かを明らかにするとともに,ホンシメジ・ハタケシメジについてはゲノムシーケンス解析をすすめる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Transformation of the mushroom species Hypsizigus marmoreus, Flammulina velutipes, and Grifola frondosa by an Agrobacterium-mediated method using a universal transformation plasmid.2013
Author(s)
Hatoh K, Izumitsu K, Morita A, Shimizu K, Ohta A, Kawai M, Yamanaka T, Neda H, Ota Y, Tanaka C
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Journal Title
Mycoscience
Volume: 54
Pages: 8–12
DOI
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