2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22380112
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
倉田 修 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (90277666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森友 忠昭 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20239677)
松山 知正 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 主任研究員 (20372021)
坂井 貴光 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 研究員 (50416046)
高野 倫一 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所, 研究員 (40533998)
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Keywords | 免疫学 / 生理活性 / 細胞・組織 / マイクロアレイ / 水産学 |
Research Abstract |
数種のヒラメケモカインの組換体を作製し、ヒラメ白血球の走化性を調べたところ、IL-8およびCXCL13に活性が認められた。IL-8に対し走化性を示した白血球は、大型で細胞内に顆粒を有し、ザイモザンに対する貪食能を示したことから、好中球であると同定された。CXCL13に対し走化性を示した白血球は、小型で細胞内顆粒が乏しく、細胞表面上にIgMを発現していたことから、Bリンパ球であると同定された。また、IL-8のN末端の一次構造を明らかにし、走化性機能を担う分子領域に関する研究(変異体作製による機能解析)に着手した。ヒラメにおけるこれらケモカインの標的細胞を明らかにしたことで、免疫応答誘導における各種ケモカインの機能的役割の解明へと迫ることができる。一方、ケモカインによる造血細胞に対する顕著な細胞分化能は認められなかった。ケモカインの細胞分化誘導能の有無について、メチルセルロース軟寒天培養法によるコロニー観察手法および造血組織未発達の孵化仔魚へのマイクロインジェクション手法を活用し、最終評価することとした。ヒラメ白血球走化性誘導能が確認されたIL-8およびCXCL13に焦点を当て、新たに複数のラットモノクローナル抗体を作製した。昨年までに作出したマウスモノクローナル抗体を組み合わせたサンドイッチELISA法をCXCL13について確立することができた。IL-8に対するサンドイッチELISA法の開発は継続して進めることとした。確立したサンドイッチELISA法は、感染局所やリンパ組織におけるケモカインタンパクの定量解析を可能にし、感染時におけるケモカインの動態を時間的・空間的に理解することを助ける。各ケモカイン刺激により誘導される好中球およびBリンパ球の発現遺伝子を解析するため、アジレントチップ(約6000遺伝子に対応)の作製および細胞ソーティングにより回収した好中球およびBリンパ球を各種ケモカイン刺激して得られたRNAサンプルの調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的であるケモカインの機能解析および標的細胞の特定に関し、IL-8およびCXCL13について明らかにすることができた。また、各種ケモカインに対するモノクローナル抗体も順調に蓄積され、CXCL13に関しては、サンドイッチELISA法を確立し、定量解析を可能にした。最終年度(24年度)に各標的細胞の発現遺伝子プロフィールを解析することで、本課題の研究目的を達成することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-8およびCXCL13の標的である好中球およびBリンパ球における各ケモカイン刺激後の発現遺伝子プロフィールについてDNAマイクロアレイを基本に解析を進める。これにより、ケモカインによる免疫応答の初期制御機構の概要が理解できる。ケモカインの持つ細胞分化能については、従来の培養技術に加え、孵化仔魚へのマイクロインジェクションによる生体内での解析も合わせて行い、多方面からの検討を行うこととした。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Detection of Japanese flounder antibody against fimbrial major protein of Edwardsiella tarda2011
Author(s)
Sakai, T., Miyoshi, Y., Matsuyama, T., Nakayasu, C, Kamaishi, T., Fukuda, Y., Iida, T.
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Journal Title
Fish Pathology
Volume: 46
Pages: 23-26
DOI
Peer Reviewed
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