2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22380116
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80154053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
芳賀 穣 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (00432063)
二見 邦彦 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (00513459)
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Keywords | 養魚飼料 / 無魚粉飼料 / 植物性原料 / ヴェジタリアン / 遺伝子組換飼料原料 |
Research Abstract |
真の無魚粉飼料の開発を行い,ヴェジタリアン養殖魚の創生をめざすために,養殖生産量の高いブリ、マダイおよびニジマス対象魚種とし,以下の実験を行った。 1.魚粉の配合量を20%,10%,0%とし,植物性飼料原料でタンパク質レベルを調整した飼料を作製し,その飼料に対するタウリンの添加効果をブリおよびマダイに給餌して検討した。その結果、マダイでは、魚粉10%および0%飼料では成長が劣るが、水温20℃以上の場合は、消化酵素混合を添加することにより、成長が改善された。ブリでは、魚粉20%飼料では魚粉主体区と同等に成長したが、魚粉10%以下の区では酵素混合の添加により成長は改善されたが、魚粉主体区には及びなかった。 2.タウリンはメチオニンにから誘導され海水魚にとって、必須の栄養素である。そこで、タウリンがメチオニンの代替をするかをニジマスを用いて、検討した結果、タウリンはメチオニンの代替は行わないことがわかった。 3.無魚粉飼料のタンパク源となる植物性飼料原料にはフィチンという栄養阻害物質が含まれているが、これを分解するフィターゼのタンパク質および無機質の吸収率に及ぼす影響をブリおよびマダイを用いて検討した結果、フィターゼを含む酵素混合の添加によりリンの吸収率が改善されることがわかった。 4.現在使用されている植物性飼料原料のほとんどは、遺伝子組み換え作物由来のものである。この組換え遺伝子がコイの消化管において消化されるかどうかについて検討した結果、温度による影響があり、高水温時では低水温時に比較し、消化されやすいことがわかった。 以上より、無魚粉飼料の開発に必要な基礎的な知見が得られた。
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Research Products
(2 results)